「五社英雄監督の最高傑作だと思います」陽暉楼 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
五社英雄監督の最高傑作だと思います
圧巻でした
超重量級の映画を観たという満足感に浸りました
テーマ性とか物語性などというものを離れて、映画の娯楽性とは何か、満足感とは何か
それを極限まで追求した作品であると思います
ダンスホールでの裾まくりしてのチャールストン
下着は穿いていないだろうにと思わせながらのあのように脚を高く上げたダンスの際どさ
洗面所での15分に及ぶ長回しのキャットファイトの凄まじさ
バーカウンターでの情事の美しさ艶めかしさ
これらのシーンが連続して展開される怒涛の迫力
お袖が温泉に突然現れて、着衣のまま岩風呂に飛び込んでのキャットファイトの度肝を抜く強烈さ
これらは本作といえばこれという名シーンとして語り草です
しかし自分にとって、一番心に残ったシーンは別にあります
それは珠子が陽暉楼から断れて帰ろうとしたときに、桃若が大勢の芸妓を率いて廊下に現れ、手前に進み前を横切って階段を登るシーンです
その息をのむ美しさと華やかさ、圧倒的な迫力、強烈なプライド
このシーンこそ本作の一番の名シーンであると思いました
このシーンにこそ本作の言いたいことが込められており、陽暉楼とはなにかをすべて表現しきっていたのだと思います
本作はなんといっても池上季実子の美しさ、自我の強さです
彼女でなければここまで本作は成功しなかったでしょう
そして浅野温子の熱演、倍賞美津子と園佳也子の好演は深く印象に残りました
佳那晃子の変貌ぶりも見事でした
五社英雄監督の最高傑作だと思います
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