夜明けの二人
劇場公開日:1968年4月27日
解説
「花の宴」の桜井義久と「男なら振りむくな」の野村芳太郎がシナリオを共同執筆し、野村芳太郎が監督したハワイ百年祭記念映画。撮影は「男なら振りむくな」で野村芳太郎とコンビを組んだ川又昂。
1968年製作/101分/日本
原題または英題:Raimbow over the Pacific
配給:松竹
劇場公開日:1968年4月27日
ストーリー
中野秀夫はふぐ料理「はかた」を継ぐべき青年だが、写真に凝って家業には見向きもしなかった。そしてある日銀座で知り合った日系三世三崎令子が忘れられず、いつの日にかの再会を夢見ていた。それから半年。秀夫は写真の先生冬川に随行して渡米することになった。途中ハワイへ立寄った秀夫たちは歓待を受け、常夏の島の夜を満喫したが、秀夫はパスポートを紛失し、一人残される身となってしまった。そんな秀夫にすっかり同情した村田ひろみは仕事を斡旋し励ました。そしてある日、秀夫はひろみに同行して行った美容院で令子にめぐり逢った。秀夫はデートを約束したが、婚約者のいる令子は現われなかった。事情を知らぬ秀夫は心になにか割りきれないものを残しながら、取材のためひろみ、沢本らと島まわりの旅に出た。マウイ島、カウアイ島、そしてハワイ島。彼らの計画した“素人のど自慢大会”はいたるところで受けた。一方、令子は燃えあがる秀夫への愛をおさえることが出来ず、秀夫の後を追ってハワイ島へやって来た。二人は美しい島の風物の中で恋のとりこになった。秀夫はコナの町で祖父の弟辰次郎を訪れたが、翌朝、目覚めた時にはもう令子の姿はなかった。秀夫が令子に徹也という婚約者がいることを知ったのはホノルルに帰った日だった。しかも徹也が辰次郎の孫であることを知って驚いた。徹也に会った秀夫は、令子への慕情を自ら絶ち切ろうと決心した。沢本やひろみなど日系人が催す“桜まつり”が盛大に行なわれた。秀夫とハワイ三世たちとの間に生まれた友情は何にもまさる収穫だった。東京に帰った秀夫は“桜まつり”の準ミスとして日本に派遣された令子と夜明けの街で再会した。