劇場公開日 1963年1月13日

雪之丞変化(1963)のレビュー・感想・評価

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3.5貴重な体験

2024年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

知的

映画.comの方へ
印象欄に「美しい」「カッコイイ」の項目を加えて欲しいです。

市川崑監督作品なので、見慣れた
「金田一シリーズ」や「細雪」の様に早いテンポで、
アップの画面が切り替わって行くのか?と思いきや、
シネマスコープの横長画面を最大限に活かし
一切の無駄の無い画面。
初期の「必殺シリーズ」が、これを参考にしたと思われる、
主要人物にのみ、ライトの当たったタイトな絵作りは、
緊張感が半端無いっす。

観賞後に町山智弘氏の解説動画で知ったのですが、
シネマスコープの正しい使い方として、
海外では「アラビアのロレンス」と並んで評価が高いとの事で、
さもありなんと思いました。

同時に無駄を一切排したタイトな画面作りは、
お金の無い若手映画人には物凄く参考になるんじゃ無いかと思います。
途中、ちょっとしたチープな特撮もクスリと笑えます。

役者陣に目を向けると、
主役の長谷川一夫氏は当時50代で大柄故、
女形を演じるシーンでは玉三郎さまの女形と
比較してしまうと流石に飲み込み辛いけど、
その分、若き日の若尾文子様の麗しいお姿と
山本富士子様の蓮っ葉なのにそこが色っぽい
ドS女子ぶりをご堪能下さい。(笑)

この時代の映画を観ることはほぼ無いので、
午前十時の映画祭ならではの本当に貴重な経験でした。

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星のナターシャnova

5.0流石のオールスター!これぞ娯楽!

2023年2月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

いやあ〜
スゲエ〜
面白かったあ〜
大映映画のオールスター…
ハンパねえ…

ストーリーは大方予想通り。
若尾文子の行く末も、ラストの締めの終わり方も、ほぼ予想通り。
台詞も芝居も割と紋切り型だし(ワザと?)
いわゆるツッコミどころも、まあまあ多い。
なのに、観終わった後の、この満足感たるや!
一体なんなんだ?
予定調和なんていうシレッとした批評気取りの言葉なんぞ軽く笑い飛ばし「これぞ娯楽よ!」とでも言わんばかりの千両役者たちの本物の魅力…
とでもいうべきか、あるいは、まさに様式美とでもいうべきか…

しかし、旧態依然とした様式などに安住したりしないのは、流石の市川崑。
この時代らしく、京都の撮影所でのセット撮影だが、所詮は、撮影所のセットの中での作り物の世界なのだ、という事を逆手にとっていたのかもしれない。
スタジオセット特有の極端に作り込んだダークな夜の闇や、ワイドスクリーンを活かした意外な構図のカメラワークも含めて演出がモダン。
やはり、ジャズの導入も効いている。

そして、なんといっても、長谷川一夫のアノ目。
もうアノ目だけで、観客を引き込んで、有無を言わさずに説得させてしまう。
まさにスター俳優の面目躍如。
ちなみに、あの闇太郎…
随分と似てるけど兄弟とかいたっけ?と思っていたら、なんと、本人二役であった。
長谷川一夫を見慣れている人達は、最初の時点で直ぐ分かるのだろうが…
これは、1930年代の第1作の頃から同様だったみたいで、当時としては、所謂お約束だったのだろう。

しかし、こういった作品をリアルタイムで観て育つのと、そうでないのとでは、圧倒的な体験格差が生まれると思う。
やはり、あのシネマスコープ特有のデカくてワイドなスクリーンが効いている。
自宅のディスプレイじゃ、あの満足感は絶対に得ることは出来ない。
これは是非この機会、映画館で観た方がいい。
というか、この頃の日本映画、あまりにも素晴らしい作品が多すぎる。
今回だけじゃなく、毎年、年に1回は同様の特集上映を定期的に続けて欲しい。

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osmt

5.0光と影、究極の芸

2018年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

萌える

舞台調の映画。でも、光を当てる部分、周りを暗くしてフォーカスする、襖で区切る等でメリハリをつけ、その映像美とともにあきさせない。

市川監督初の時代劇。だから歌舞伎出身の長谷川氏の意向が結構反映したのだろうか?長谷川氏の記念映画に時代劇が”初”という監督を起用するところがおもしろい。長谷川氏若かりし頃の作品のリメイクだから冒険したのか?

コメディリリーフとしてはアクセントとなるも、ストーリー進行的には特にいらないんじゃ、長谷川氏記念映画だから、花を添える役者のために作ったのかと思われるような登場人物も原作に出ている人もいるのね。
ドラマ化されたり、何度か映画化されたりした作品。二役も慣例。他のも見たくなった。

男優の手堅い演技はさることながら、
貞淑な人妻のイメージがあった若尾さんの色っぽいこと。
初代ミス日本の山本さんのあだっぽいこと。
見た目はびっくりだが、雪之丞の所作の美しさ。そしてその葛藤に心をひき裂かれながらも、ある部分バッサリなところに、性根は”男”が垣間見られる。芸の細かさなのか、粗さなのかはわからねど、面白い。

ある意味、日本映画と舞台の融合。シネマスコープの持ち味を存分に使いながらも、断捨離、一部分だけをフォーカスして使う斬新さ。その映し出された一部分だけで、場面を語れる役者の演技。

光と影の独特の使い方で、”映像”として魅せてくれる。
映画の醍醐味を味あわさせてくれる映画です。

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とみいじょん

4.0映画芸術の一つの到達点

2017年12月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

長谷川一夫が20代に主演したシリーズを市川崑が長谷川一夫主演300本記念作品としてリメークしたもの。
既に長谷川一夫は50代半ばになっていた。

どう観ても長谷川一夫の魅力は伝わらないが、市川崑が持てる芸術性を遺憾なく発揮した、スタイリッシュな時代活劇。
光と影、暗闇と鮮烈なカラー、舞台を彷彿させる大胆な構図。
これが市川崑初の時代劇らしいが、実験的な映画表現でチャンバラをファンタジックに描いている。

若尾文子の魅力は伝わる!

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kazz

2.0女形って難しい

2017年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

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佐分 利信

3.0貴重な経験

2017年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

印象欄に「美しい」「カッコイイ」の項目を加えて欲しいです。

市川崑監督作品なので、見慣れた
「金田一シリーズ」や「細雪」の様に早いテンポで、
アップの画面が切り替わって行くのか?と思いきや、
シネマスコープの横長画面を最大限に活かし
一切の無駄の無い画面。
初期の「必殺シリーズ」が、これを参考にしたと思われる、
主要人物にのみ、ライトの当たったタイトな絵作りは、
緊張感が半端無いっす。

観賞後に町山智弘氏の解説動画で知ったのですが、
シネマスコープの正しい使い方として、
海外では「アラビアのロレンス」と並んで評価が高いとの事で、
さもありなんと思いました。
同時に無駄を一切排したタイトな画面作りは、
お金の無い若手映画人には物凄く参考になるんじゃ無いかと思います。
途中、ちょっとしたチープな特撮もクスリと笑えます。

役者陣に目を向けると、
主役の長谷川一夫氏は当時50代で大柄故、
玉三郎さまの女形を想像すると流石に飲み込み辛いけど、
その分、若き日の若尾文子様の麗しいお姿と
山本富士子様の蓮っ葉なのにそこが色っぽい
ドS女子ぶりをご堪能下さい。(笑)

この時代の映画を観ることはほぼ無いので、
午前十時の映画祭ならではの本当に貴重な経験でした。

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星のナターシャ

2.0午前十時の映画祭にて鑑賞。 流石にキツイです。長谷川一夫の全盛期を...

2017年5月16日
iPhoneアプリから投稿

午前十時の映画祭にて鑑賞。
流石にキツイです。長谷川一夫の全盛期を知ってないと受け入れられないと思います。
往年のスターが多数出演しているようですが、2017年現在で70歳以上の世代なら楽しめるのかな?

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やまぼうし

5.0長さま!

2016年2月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

萌える

自分の顔と所作を美しく見せるためにどうしたらいいのか知り尽くしている長谷川一夫!素晴らしい。「男の花道」(舞台)を猿之助が演じたのを明治座で見たが、これまた素晴らしかった。上手の暖簾をぱっと上げて登場する時の、ちょっとした間、と顔がパーッと明るく見えるように工夫された着物と化粧と照明。亀治郎が忠実に長谷川一夫の演出をなぞり、亀治郎ならではの歌舞伎より柔らかくて自由な婀娜な色気と美しさが舞台を満たしていた。この映画のレビューになってませんが、二つとも長谷川一夫の花のような美しさを満喫ないし想像できたので。

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talisman