劇場公開日 1963年1月13日

「光と影、究極の芸」雪之丞変化(1963) とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0光と影、究極の芸

2018年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

萌える

舞台調の映画。でも、光を当てる部分、周りを暗くしてフォーカスする、襖で区切る等でメリハリをつけ、その映像美とともにあきさせない。

市川監督初の時代劇。だから歌舞伎出身の長谷川氏の意向が結構反映したのだろうか?長谷川氏の記念映画に時代劇が”初”という監督を起用するところがおもしろい。長谷川氏若かりし頃の作品のリメイクだから冒険したのか?

コメディリリーフとしてはアクセントとなるも、ストーリー進行的には特にいらないんじゃ、長谷川氏記念映画だから、花を添える役者のために作ったのかと思われるような登場人物も原作に出ている人もいるのね。
ドラマ化されたり、何度か映画化されたりした作品。二役も慣例。他のも見たくなった。

男優の手堅い演技はさることながら、
貞淑な人妻のイメージがあった若尾さんの色っぽいこと。
初代ミス日本の山本さんのあだっぽいこと。
見た目はびっくりだが、雪之丞の所作の美しさ。そしてその葛藤に心をひき裂かれながらも、ある部分バッサリなところに、性根は”男”が垣間見られる。芸の細かさなのか、粗さなのかはわからねど、面白い。

ある意味、日本映画と舞台の融合。シネマスコープの持ち味を存分に使いながらも、断捨離、一部分だけをフォーカスして使う斬新さ。その映し出された一部分だけで、場面を語れる役者の演技。

光と影の独特の使い方で、”映像”として魅せてくれる。
映画の醍醐味を味あわさせてくれる映画です。

とみいじょん