闇の狩人のレビュー・感想・評価
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圧倒的につまらない 時間の無駄と思うほど メリハリもなくダラダラと続く シナリオが決定的にダメダメ
闇の狩人
1978年松竹作品
圧倒的につまらない
時間の無駄と思うほど
メリハリもなくダラダラと続く
シナリオが決定的にダメダメ
こんな脚本で五社監督がよく撮ったものだ
前作の雲霧仁左衛門の脚本が良くないと原作者の池波正太郎から脚本家変更の指示があったにもかかわらず、別名を使い別人でございと押し通したのだそう
結果的に池波正太郎を騙したといえます
これ発覚して池波正太郎の怒りを買ったなら松竹は今後一切、池波正太郎の原作を使えなくなっていたかも知れない危ないことです
もしそうなっていたら平成の鬼平犯科帳も無くなっていたかも知れないほどの大事件だったでしょう
原作者軽視は当時からあったのです
本作のあまりのつまらなさに池波正太郎もあきれて匙を投げたのか五社監督で映画化の話は以これっきりになりました
めでたしめでたし?
狩人が見えない
五社版“必殺仕掛人”は期待させるも…
五社英雄監督1979年の作品。
徳川十代将軍下の江戸。首席老中が悪政を奮う。
配下の悪徳老中は、殺しを請け負う稼業“闇の狩人”を使い、暗殺を実行させていた。
その元締めはある時、記憶を失った凄腕の浪人を雇い入れ…。
『雲霧仁左衛門』に続く、五社監督×原作・池波正太郎×主演・仲代達矢のトリオ作。
殺しを請け負う稼業の刺客たちが題材なだけあって、同じ池波原作の『仕掛人』を思わせる。
豪華キャスト。常連組に加え、千葉真一、岸恵子、いしだあゆみ、藤田まことら。中でも実質主役の記憶喪失の浪人・原田芳雄がインパクト。
彼らが織り成す人間ドラマ、ダイナミックなアクションとバイオレンスとエロチズム。
こちらも五社印たっぷりの大衆娯楽時代劇巨編。
…と期待して見た『雲霧仁左衛門』が微妙だっただけに、こちらもちょっと期待値低めにして見たのだが、それはある意味正解。
闇の殺しの稼業はあちらのような作品を期待させるが、あちらのような痛快スカッと感はナシ。
暗躍、思惑…重厚に蠢く男たち女たちの人間模様で、五社作品らしいと言えばそうだが、それが面白さに直結しない。
脚本家も『雲霧仁左衛門』と同じ。『雲霧仁左衛門』の出来が不満だった原作者が脚本家交代を意向したが、脚本家が別名で担当。それがまた仇となったのか、作品トーンは同じ。老中たちの陰謀、殺しの稼業の世界で生きる者、記憶を失った浪人の素性…一応それらは描かれているのに、またまた展開はもたつき、面白味や醍醐味が伝わってこない。
池波原作はもっと勧善懲悪で、殺し屋稼業のプロフェッショナル。
五社アレンジは、非情な世界で生きるアウトローたちの末路。
同原作でも全く非なる解釈。
この後五社監督は池波小説は元より、大衆娯楽時代劇はいったん離れ、十八番になる愛憎文芸作に手腕を発揮する事になる。
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