山の音

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解説

川端康成の原作を、「にごりえ」の水木洋子が脚色、「あにいもうと(1953)」の成瀬巳喜男が監督した。「愛人」の玉井正夫の撮影、「恋文(1953)」の斎藤一郎の音楽である。主な主演者は、「にごりえ」の山村聡、丹阿弥谷津子、長岡輝子、「東京物語」の原節子、「にっぽん製」の上原謙、「家族あわせ」の角梨枝子、「純情社員」の杉葉子、「恋文(1953)(1953)」の中北千枝子など。

1954年製作/94分/日本
配給:東宝

ストーリー

六十二という齢のせいか、尾形信吾は夜半、よく目がさめる。鎌倉の谷の奥--満月のしずかな夜など、海の音にも似た深い山の音を聴いて、彼はじぶんの死期を告げられたような寂しさをかんじた。信吾は少年のころ、妻保子のわかく死んだ姉にあこがれて、成らなかった。息子修一にむかえた嫁菊子に、かつての人の面影を見いだした彼が、やさしい舅だったのは当然である。修一は信吾が専務をつとめる会社の社員、結婚生活わずか数年というのに、もう他に女をつくり、家をたびたび開けた。社の女事務員谷崎からそれと聴いて、信吾はいっそう菊子への不憫さを加える。ある日、修一の妹房子が夫といさかって二人の子供ともども家出してきた。信吾はむかし修一を可愛がるように房子を可愛がらなかった。それが今、菊子へのなにくれとない心遣いを見て、房子はいよいよひがむ。子供たちまで暗くいじけていた。ひがみが増して房子は、またとびだし、信州の実家に帰ってしまった。修一をその迎えにやった留守に、信吾は谷崎に案内させ、修一の女絹子の家を訪ねる。谷崎の口から絹子が戦争未亡人で、同じ境遇の池田という三十女と一緒に自活していること、修一は酔うと「おれの女房は子供だ、だから親爺の気に入ってるんだ」などと放言し、女たちに狼籍をはたらくこと、などをきき、激しい憤りをおぼえるが、それもやがて寂しさみたいなものに変っていった。女の家は見ただけで素通りした。帰ってきた房子の愚痴、修一の焦燥、家事に追われながらも夫の行跡をうすうすは感づいているらしい菊子の苦しみ--尾形家には鬱陶しい、気まずい空気が充ちる。菊子は修一の子を身ごもったが、夫に女のあるかぎり生みたくない気持のままに、ひそかに医師を訪ねて流産した。大人しい彼女の必死の抗議なのである。と知った信吾は、今は思いきって絹子の家をたずねるが、絹子はすでに修一と訣れたあとだった。しかも彼女は修一の子を宿していた。めずらしく相当に酔って帰った信吾は、菊子が実家にかえったことをきく。菊子のいない尾形家は、信吾には廃虚のように感じられた。二、三日あと、会社への電話で新宿御苑に呼びだされた信吾は、修一と別れるという彼女の決心をきいた。菊子はむろんのこと信吾も涙をかんじた。房子は婚家にもどるらしい。信吾も老妻とともに信州に帰る決心をした。

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映画レビュー

4.0川端康成の原作のテーマを換骨奪胎し、小津作品へのアンチテーゼというべき作品テーマになっています

あき240さん
2020年5月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

よく川端康成からクレームが入らなかったものだと思います
決定的に違うのではないかと思います

例えば能面をなぜ菊子が被らずに、秘書の谷崎女史が被ってしまうのか?
信吾が能面に接吻するシーンもありません
能面の持つ意味が無意味になってしまいます
それなら能面のエピソードは丸ごとカットした方がまだましです

だいたい題名の山の音はどこにいったのでしょう?
それはもちろん台風の夜となっているのでしょう
でもそれでは意味合いがこれまた決定的に違います
菊子の鼻血シーンの前の早朝の鐘の音でももちろんありません
ただ川端康成の原作であることだけを示しているだけで消え去っているのです

成瀬監督ほどの実力と手練れならば、原作小説の映画化を高い水準で実現できるはずです

これは狙ってやったことです
そうとしか思えません

原節子と上原謙の夫婦の映画
それは本作の3年前1951年の成瀬監督のめしでもそのコンビでした
その作品では夫婦愛を高らかに歌い上げた作品でした

一方本作では真逆です
そしてその鎌倉を舞台にした原作小説にかこつけて、松竹の小津作品の体裁で撮っているのです

タイトルバックの雰囲気
鎌倉の屋敷のセット
横須賀線の車内シーン
小津作品のオマージュだらけです
明らかに狙ってやっています
確信犯です

原節子は小津作品には本作撮影までの時点で、
1949年の晩春、1951年麦秋、1953年の東京物語の3本に主演しています

3本とも父と娘の愛情がテーマです
そして本作は義父と嫁の隠された愛情がテーマに据えられいます

つまり川端康成の原作の信吾中心のテーマはうっちゃられていて換骨奪胎した、小津作品へのアンチテーゼというべき作品テーマになっています

それが目的の映画であったような気がしてなりません

何故に秘書の谷崎女史にあれほど出番があり、存在感が与えられているのか?

谷崎女史は自立した女性です
外見からも笑顔のない小さく胸の薄い女性として配役されています
それも孤独でいつもどことなく不機嫌な女性として設定されています
終盤の後任秘書と比べるとハッキリします

谷崎女史は、修一の浮気相手でシングルマザーを選択した絹子と同じ種類の女性です
見た目まで似せてあります

しかし彼女は、あくまでと秘書として一人の女性として、信吾からも修一からも扱われていません
なのにこの二人からプライベートに深く関与させられているのです

能面まで被らされています
つまり菊子の代用品という意味なのです

彼女は二人から菊子の代用品としてあつかわれているのです
信吾は彼女を通して菊子を見ています
修一は彼女に菊子への不満をぶつけて連れまわしています
その上、彼女と容貌の似た絹子と性的関係を持ちそれを彼女に見せつけているのです
菊子に出来ないことを谷崎女史にしているのです

しかし両名からは、あくまで会社の備品と見なされて性的には一切女性としてあつかわれないのです

だから彼女は不機嫌で最終的にはやり切れずに会社を辞めてしまうのです
そうしてそんな人間扱いされない立場から、自由になろうと自ら行動する女性なのです
見方をかえれば、家庭における菊子と同じ立場なのです
つまり菊子と谷崎女史は鏡の両面だったのです

のびのびするね
ビスタに苦心してあって、奥行きが深く見えるんですって
ビスタって何だ?
見通し線というんですって

ラストシーンのこの会話に、成瀬監督が原作小説のテーマとは別に本作のテーマに据え直したものが何か凝縮されていると思います

人間がのびのびと生きる新しい時代であるべきだ
女性も社会と未来を見通して自立を果たして欲しい
そう成瀬監督が言っているように聞こえます

誰に?
小津作品の中の原節子が演じる窮屈そうな女性へのメッセージなのだと思います

本作の菊子のように自由に生きなさい
女性も自由に生きてよいのだ
戦後とはそういう時代なのだ

そういう成瀬監督の言葉なのです

本作は川端康成の原作にかこつけて、テーマを換骨奪胎した作品だったのだと思うのです

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あき240

4.0小津とは違う

2019年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

小津とは違う成瀬巳喜男

川端文学を繊細に映していると思う…
なんと複雑な心の機微
それを淡々と言葉少なに表現できる成瀬巳喜男が
ある意味こわい、、、(^^;

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mamagamasako

3.0・旦那との仲はイマイチでも親との関係がいいから耐えられるのか ・嫁...

小鳩組さん
2019年4月4日
iPhoneアプリから投稿

・旦那との仲はイマイチでも親との関係がいいから耐えられるのか
・嫁といい舅といい、はっきり言いきらないから周りにも誤解されやすくてイライラする
・イライラしてる自分は思うツボなんだろなぁ

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小鳩組

3.0時代は違っても男女関係のドロドロぶりは同じですね。 美人妻(原節子...

2018年3月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

時代は違っても男女関係のドロドロぶりは同じですね。
美人妻(原節子)がいるのに外で女を作るゲス男(上原謙)。しかし、昔のゲスは今ほど叩かれません。女の方が耐え忍ぶばかり。このゲス男、しっかり両方に子どもを…上原謙が布団から原節子を呼ぶ。そんな描写は全くないのに妙にエロさがあります。
この不憫な妻を優しくするのが義父(山村聰)。美人妻の方もまんざらではなさそう。やばい、やばすぎる、もはやこれはAVのストーリーではないか(笑)
今ほど簡単に女体を拝めぬ昔の男は、こんな作品でエロの欲望を抑えていたのかもしれない(笑)
川端康成、谷崎潤一郎、そんな作品が多々ありますよね、そんな作品を純文学と言っていいのか?(笑)

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はむひろみ
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