奴が殺人者だ
劇場公開日:1958年7月29日
解説
樫原一郎の昭和刑事物語「汚れた刑事」よりの映画化で、麻薬Gメンの活躍を描いたアクションドラマ。脚色は「張込み」の橋本忍、監督は「家内安全」の丸林久信、撮影は「ぶっつけ本番」の遠藤精一が担当した。主演は「若い獣」の佐藤允、「銭形平次捕物控 鬼火燈篭」の淡路恵子、その他天本英世・中田康子・それに元NHK放送劇団員の横山道代。
1958年製作/94分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1958年7月29日
ストーリー
ジョニーと上谷文吉の死体が隅田川に浮んだ。久松署の大利根部長刑事は鈴木刑事と早速聞き込みに廻った。与太者仲間の口からジョーは、朝鮮人の崔郭全と親しい事が判った。崔は麻薬密売の前科がある男で一カ月前に江戸川に死体となって発見され、未だ加害者は検挙されていなかった。鈴木刑事は崔の情婦幸子を訪ね、ジョーの外にユーさんという男が仲間らしいという聞込みを得た。捜査線上に現れた第三の男ユーさんを探さなければならない。大利根部長刑事の妹、礼子の許婚、麻薬取締官石原は、囮捜査として愚連隊仲間に、直さんの通称でもぐり込んだ。石原は口も固く、腕ッ節の強いのを認められ、麻薬密売人の立花から殺し屋の助手を命じられた。その殺し屋、ヤッパの竜は麻薬常習者で、立花から麻薬をもらう代償として、殺しをやる男だった。崔もジョーもこの男の手にかかって消された。石原は麻薬に魂を売った無気味な男と殺人コンビとして、ユーさんこと湯本を消すべく探し歩いた。立花のボス沢田は、沢田商会の社長だが、実際は麻薬を密輸入して全国にバラまいている麻薬ボスだった。湯本は沢田の片腕だったが、結婚資金を稼ぐ為沢田を裏切り、大量の麻薬を盗んで逃走したのだった。探し求めた湯本は、香港に麻薬を売りに飛び、羽田へ帰って来るとの情報に、沢田は竜と石原をビュイックに乗せ羽田へ湯本を消すべく出発しようとする。その中にあって連絡の方法を失った石原は、走り書きを宿のおかみに秘かに手渡し、大利根に連絡を頼んでビュイックに乗り込んだ。連絡を受けた大利根は、直ちに非常線を張り、京浜国道を羽田へ向う57年型ビュイックの逮捕を命じる。捜査網は刻刻としぼられて行くのであった。