「薬師丸ひろ子の可憐な存在感」野性の証明 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
薬師丸ひろ子の可憐な存在感
高倉健や松方弘樹など、名だたる大スター出演で、海外ロケで大規模なアクションも敢行した、角川映画の意欲作。薬師丸ひろ子のデビュー作で、骨太な男たちの中で可憐な存在感が光る。
元自衛隊の特殊部隊が殺人事件に巻き込まれた少女を引き取り育てるのだが、そのうち不穏な事件の影が忍び寄る。
脚本は荒っぽい部分もあるが、角川映画らしい迫力があって見応えはある。大野雄二の音楽も効いている。自衛隊、ミステリー、超能力要素といろいろ詰め込んで荒唐無稽の感はあるが、なぜか目が離せないエネルギーがある。
ヘリや戦車を動員したクライマックスの撮影は、カリフォルニアで行われたそうで、当時の日本映画としては破格のスケール。自衛隊の実機とは違うモデルではあるがその辺はご愛嬌。
主題歌の戦士の休息の痛切なメロディーが泣ける。
コメントする