野獣死すべし(1980/村川透監督)のレビュー・感想・評価
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狂ってる
最初から最後まで狂ってた。
その動機が悲惨な戦場を渡り歩いたからと言うのが後半になって分かるのだけど、最初から分かってれば、もう少し伊達と言う男の事が理解出来たかもしれなかった。
狂った様を少ない台詞と表情や仕草で魅せる松田優作はスゴいのかもしれないけど、まだ、他の作品をちゃんと見てないので松田優作の魅力は僕には分からない。
松田優作って人は縛られる事が嫌いでアドリブが好きだったんだろうなぁと思った。
ただ僕が観てきた映画の主人公の中で一番狂ってたのは間違いない。
思いの外鹿賀丈史がカッコ良かった。
同窓会で今では大物俳優たちが揃ってたのも面白かった。
松田優作作品をもっと観て魅力を感じていきたいと思います。
今見返すと
あまりにも厨二。
まぁ、そういう時代だったともいえるし、あの頃のそういうのに憧れるのが厨二なのだともいえる。
村川透ってそうだよねとも、大藪春彦ってそうだよね、とも。
それが今でも辛うじて見るに堪えるのはひとえに松田優作の魅力か。
今はそういう感じの女優さんいないけど、小林麻美は良かったですな。
君は今確実に美しいんだよ。それは悪魔さえも否定できない事実。
君は今確実に美しい。それは神さえも超越している。
別荘で初めて殺しに手を染めた真田に言う長台詞は、松田優作自身が考えたそうです。
他にも詩の朗読2回に、長台詞2回。
アクション・スターから演技派への脱却を図った本作は、優作と脚本家がハードボイルドの原作をぶちこわし、原作者を激怒させるキチ○イ映画に変貌させました。
数々の戦場で死を目の当たりにし、死生観の変わってしまった男が、`汝、殺すなかれ´という神の教えに背くことで、神へ挑むが如く次々と人を殺していく。
そして、唯一彼を人として留めていた令子を自ら殺すことで、完全に狂気の世界へ行ってしまう。
もはや邦画界の伝説となっているエピソード、優作が本作のため、70kg→62kgに減量し、更に頬をこけさせるため奥歯を4本抜き、地味で目立たない男にするため、5cm足を切れないか?と医者に相談したなど、彼自身が狂気の世界に足突っ込んでます。
松田優作の存在そのものが映画を超えてしまった本作は、彼を知らない又は興味無い人が観たら、「なんじゃこりゃ!」と叫びたくなるのも仕方無いですね。
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