劇場公開日 1985年8月31日

「昭和50年代の、田舎と都会の落差。ギャップ。」夜叉 Sister-Tamerさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0昭和50年代の、田舎と都会の落差。ギャップ。

2024年10月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

興奮

レビューはたいてい飲みながら書いて途中で投げ出すことが多いので、要点を先ずは。

2024年テレビで鑑賞。

とても面白かった。
田中裕子が凄い女優だというのも合点がいった(当時わたしは子供でした)。
前半部は目が離せない密度の濃さだった。
画面が無言で訴えかける情報量に圧倒された。背景にも、俳優陣の演技にも。

が、映画の構成としては「お定まり」な場面がちょこちょこあったのが気になった。わかりやすい演出ともいえるから全否定はしないが、雑な感じがしてもったいないなあというのが正直なところ。

主人公のヤクザ時代を振り返るシーンは過剰だし。
子供は子供がいるという記号みたいなもんだし。
濡れ場もいきなりアーバンな。いくら都会と田舎のギャップがこの作品のキモとはいえ。

それでも全体を貫き続ける緊張感が削げないことが凄い。
そして多くのシーンが「絵」になっている。アートになっている。
そして健さんはみんなが見たい健さんだったと思う。嫌味ナシです。

物語は昭和らしく、男性目線。
不倫行為が悪いとは言わないけど、ああ、こういう流れを求める心情は多くの男性にあるのだろうなと…

お酒が回ってきたがもうちょっと書くと、「ふたり」「ペア」な人間関係が引き立つ映画だと思った。
修治と冬子。
修治と蛍子。
修治と矢島。
冬子と母。
冬子と蛍子。
蛍子と矢島。

これは個人的な好みだとは思うが、最後に流れる主題歌についてわたしは唐突感が否めなかった。

Sister-Tamer