「情緒溢れる上質な娯楽映画」夜叉 あまねさんの映画レビュー(感想・評価)
情緒溢れる上質な娯楽映画
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上質な日本的エンターテイメント映画という印象。
まず、高倉健がかっこいいこと!田中裕子のかわいいこと!高倉健については、役者イメージの過渡期だったのか、寡黙な漁師の男と、ヤクザな男との、2通り楽しめて豪華。
そして、港町のどの場面も日本的な暖かさや情緒が溢れていて美しく暖かみがあり、観ているとしっとり心が落ち着いてくる。
登場人物にも日本的な?おもしろさがあり、男たちは力強いけれど子供っぽい面があり、女は、しごとは男にやってもらうが、冬子にせよ蛍子にせよ、精神的には逞しく太っ腹で包容力がある。
西島はどうせ救い出されるんでしょ、と思っていたので意外だった。
過去を捨てきれていない男が、もう一度自分を確かめたが、結果的には失敗してしまった。彼が完璧でなかったところが、この映画や高倉健のイメージを、愛嬌のあるものにしている。
人生思った通りにいかないもの。でも、ひでおのように、撒いた種が育っていたりすることもある。
ストーリー的にも捻りのきいた楽しさがある映画だった。
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