「将軍の座を巡る一族の骨肉の争い」柳生一族の陰謀 といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
将軍の座を巡る一族の骨肉の争い
某映画系Youtuberさんが本作を紹介していたので鑑賞しました。
時代劇であること以外はほとんど事前知識がない状態での鑑賞です。
結論ですが、かなり楽しめました。
日本の政権を巡る将軍の息子二人による骨肉の争いに、多くの人物が自分の利益のために介入してくることで生まれるサスペンス。そして、タイトル通り人知れず暗躍する柳生一族の目的とは…。
登場人物が非常に多い映画は「この人誰だっけ」となりがちですが、本作は全員キャラが濃いので「この人誰だっけ」とはならなかったのがありがたい。私は人の顔を覚えるのが絶望的に苦手なので登場人物の多い作品は苦手なんですが、本作は大丈夫でした。
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元和九年、二代目将軍の徳川秀忠が江戸城にて突如死亡した。食あたりによる中毒死として処理されたものの、「毒殺ではないか」という噂も聞こえ始める。秀忠の死によって急遽次期将軍を決めることになったのだが、幕府内部では三代目を誰にするかで意見が割れていた。通常であれば長男の家光(松方弘樹)が将軍になるのだが、生来の顔の痣とどもりによって秀忠から疎んじられていたこともあり、次男の忠長(西郷輝彦)を将軍にしようとする動きが多数派であった。家光の剣法指南役として長く使えていた柳生但馬守宗矩(萬屋錦之介)は何とか家光を将軍にしようと暗躍するのであった……。
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私はあまり時代劇を嗜みませんが、本作は非常に楽しめました。多くの人物の企てが複雑に交錯するストーリーながら、これが意外にも観やすくまとまっている。合戦シーンも迫力があり見応え満点。そしてラストに待ち受ける衝撃の展開に思わず息を飲む。
元々は争うつもりなど毛頭なかった家光と忠長ですが、周囲から唆されてお互いを憎み合うようになり、あれよあれよと殺し合いにまで発展していく描写は非常に恐ろしく見事でした。
古い映画故に音質や画質に難ありなところはありますが、そんなの気にしてたら昔の名作なんて見られません。
ボリュームあって非常に面白かったです。普段時代劇を観ない人も、試しにご覧になっていただきたいですね。オススメです!!