「30年前の息吹」MEMORIES マスゾーさんの映画レビュー(感想・評価)
30年前の息吹
1995年
まだバブル景気崩壊の影響は
そこまで世間に漂っていなかった頃
(よく誤解されてますが世間的に
景気が本当に後退したのはやはり
消費増税した1998年)
阪神大震災
地下鉄サリンなどの
オウム真理教関連事件
などこれほど混沌とした
事が立て続けに起こった年もなかったが
プレステやサターンなどの
熾烈な次世代ゲーム機戦争の
始まりや
「攻殻機動隊Ghost In The Shell」
など世界的に評価される
日本のクリエイター文化に
火がついた年でもある
その時に生み出されたのが
「AKIRA」以来の映画作品となる
大友克洋総監督の今作
これまでBS等の特別放送の
時にいい加減にしか観たことが
なかったのでリマスター上映
を機にしっかりスクリーンで
観てみるとまあ面白かった
1.彼女の思い出
4℃の森本晃司監督で
脚本や設定は当時まだ
漫画書いてた今敏
氏らしく現実と仮想空間の
境目のあいまいな描写が
この時点で感じ取れる作品
作中のオペラは音楽担当の
菅野よう子(いちいち出てくる名前がヤバい)
がこだわってフィルハーモニーと
本物の歌手で収録したそうで
宇宙に響くシーンは何とも言えない
余韻を残していた
スクリーン音響で観ると
全く印象が変わる
2.最臭兵器
今はフリーで活躍されている
岡村天斎監督の
マッドハウス時代の一作
うっかり国家プロジェクトで
研究させていた臭気を使った
試薬を飲んでしまった田中信男を
巡って国家レベルの大騒動に
なる話
自衛隊とは思えない
止めるには田中信男を殺すしか
ないと意外な決定を下したり
市中に破壊の限りを尽くしたり
自衛隊の在り方も何もない
破天荒な作りがオムニバスで
やり散らかす感じで不思議な
爽快感がある
オチも最高である
3.大砲の街
総指揮の大友克洋がほぼ全部担当
そう主要なセリフもなく
カット割りがなく1枚絵をスライド
させながら見せていく手法は
今のどうやった?と思うところも
世界観の説明20分だけで説得力を
出しちゃうのは見事
後この作品と同じく4℃が制作した
プペルはこれがやりたかっただけ
だろう
こんな毛色の違う3作を一気に堪能できて
OPとEDは石野卓球ですよ
アガらないわけがない
高校生だった1995年の息吹を
思い出す贅沢な時間でした
こんな思春期バリバリの時期に
戻りたくはないけどw
こういう感じのオムニバス企画
またあってもいいと思うけど
今のシネコン形態ではぶつ切りで
やりたがるのかな
クリスマスにブルーレイ売るそうです
買おうかな・・
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