無法松の一生(1965)のレビュー・感想・評価
全1件を表示
いい意味で泥臭い、勝新の無法松。
クリックして本文を読む
Amazon Prime Video(シネマコレクション by KADOKAWA)で鑑賞。
原作は未読です。
三船敏郎版で観て以来、2作目の無法松でした。本作の松五郎を演じるのは、三船と対を成す大スター、勝新太郎。三船の松五郎には、その風貌のせいか、どこかカッコ良さがありましたが、勝新の松五郎はいい意味で泥臭く汗臭く、勝新にしか出せない味わいがあって、同じ役柄でも演者によってがらりと印象が変わってしまうところに面白味を感じました。
三隅研次監督による素晴らしい演出と伊福部昭の奏でる悲壮感を孕んだサウンドに、勝新の情感たっぷりの演技が加わることによって成り立つ世界観は、同じ布陣での座頭市シリーズの功績も相まって、とてつもない安定感がありました。
ぼんとその母親との交流のドラマを丁寧に積み上げた後、松五郎が最期を迎える場面にこのトリオが生み出す最上の化学反応が炸裂していて、感情を揺さぶる、悲しいけれどとてもいいシーンになっており、胸が締め付けられました。
稲垣浩監督版2作品に比べて低い知名度が悔やまれる…
~レビュー1500件目~
コメントする (0件)
共感した! (0件)
全1件を表示