「【邦画界に革命を起こした伊丹十三監督、第6作品。今作上映後その筋の方々から伊丹さんは肉体的暴力を受けたが毅然として対応し、却って映画の興収を上げた作品。】」ミンボーの女 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【邦画界に革命を起こした伊丹十三監督、第6作品。今作上映後その筋の方々から伊丹さんは肉体的暴力を受けたが毅然として対応し、却って映画の興収を上げた作品。】
ミンボー:民事介入暴力を略した警察用語
分かり易く言えば、
1.ヤクザが
2.一般市民の民事的紛争に当事者として介入し、
3.暴力団の恐ろしさを背景に、
4.不当な利益を得ようとする事
<映画の内容>
ヤクザと企業の闘い ”ヤクザ(総会屋)に狙われた企業(総務)がヤクザに屈せず、撃退する話”
学生時代、法律を学んでいた私にとっては、退屈な授業より余程面白く勉強になった?作品。
暴対法が2008年に施行され、2012年に改正法が施行されて以降、今作のような事象はほぼ(表面的には)ないが、今作が公開された1992年当時では当たり前の出来事だったらしい・・、と諸先輩から聞いている。
その時代に、今作を製作し上映した故、伊丹監督の映画人としての矜持に敬服する。(但し、当時の伊丹監督のインタビューを読むと、単に面白そうなテーマだったからという事らしい。成程。)
ヤクザ役で出演した俳優さんたちの凄み方だけでも観る価値はある。
・伊藤四朗さん (No1!)
・上田耕一さん (No2!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー (このラインで一線を画する)
・我王銀次さん(ドーベルマンみたいに怖い)
・中尾彬さん (顔が怖いが、マダマダである)
・故、小松方正さん
・故、田中明夫さん
・ガッツ石松さん
・不破万作さん
”番外編”
・鉄砲玉の柳葉敏郎さん (当たり前だが、若い。セリフなし)
<ヤクザの介入の仕方>
(例①:エセ同和 今では絶滅危惧種だが現在でも散見される)
(例②:電話による下請け参加強要 今でも業界では普通にある)
<鑑賞当時は笑いながら観ていたが、今では、良くぞ伊丹監督調べたなあと感嘆する作品である>
<1992年5月23日 劇場にて鑑賞>