ミンボーの女のレビュー・感想・評価
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厄介なクレーマー対処法
この映画を撮ったことで、ずいぶんひどい嫌がらせもあったと聞く。
民事不介入と言う言葉を、世間に知らしめた映画と言っても過言ではないだろう。相手は威圧を繰り返してくるので、それに負けてはだめだという考え方には強いシンパシーを覚えたし、その後の自分の生き方に大きく影響した。ただし、映画として面白いかと言われると、そこまでじゃない。出演している俳優が地味な顔ぶれだったし、私から見てみんな大人だった。
起こる事件も、身の回りのささいなことを大げさにクレームをつけてくる厄介な客の対処法がほとんどだった気がする。暴力団と言うより、クレーマー対策のハウツー映画のような印象が強い。
伊丹式民暴撃退マニュアル('92年版)
東宝創立60周年記念作品。
日本映画専門チャンネルで鑑賞(4Kデジタルリマスター版,録画)。
確かな知識と毅然とした態度で立ち向かえば「ミンボーなんて怖くない!」と謳う伊丹式マニュアルな傑作エンタメ。
綿密な取材に基づいたリアリティーはさすがの一言で、ヤクザの狡猾な手口とドスの効いた威圧に戦慄せざるを得ず。
弁護士・井上まひるの、ヤクザ相手にビビらず一歩も引かないで対峙する姿が颯爽としていて、カッコ良かったです。
大地康雄と村田雄浩のキャラも抜群で、社会派な物語におけるコメディー・リリーフとして機能していて素晴らしい。
まひるに感化され人が変わっていくホテルマンたち。強くなった彼らの凛とした佇まいが光るラストが良かったです。
攻めてるねえ
ホントに感心する。
主義主張が先走ると観ている観客を楽しませる気持ちが、どこかへ行ってしまうものだけど伊丹監督は娯楽作品にしてしまえるんだね。
信子を刺したギバちゃんを村田が圧倒するところが印象的なのは、そこにカタルシスがあるわけでラストのホテルマン側の成長っぷりも清々しい。
映画は映画として、そのフィクションを堪能して日々、いわれなき犠牲を強いられる人たちはスカッとするのであるから、映画の作り方として本作は正しかったのだと思う。
問題なのは、これを寛容できない者たちが行動を起こしてしまう事に尽きる。
本当に残念である。
宮本信子、さすが!
夫が伊丹作品のファンでDVDを持っている。
今まで何となく観なかったが、何となく観てみた。
1992年の作品なので、30年の間に変わった部分で、リアリティが失われてしまったところもあると思う。
しかしそれを差し引いても、素晴らしい。
私は95年から社会人をしていたが、接客業だったけれど影ではこういう誰かの努力があったのだろうか。
暴力と数と武器で脅してくる無法者に屈さずに対応するのは、相当の覚悟が必要だろうな…
その辺の作り込み方がすごくて、タメになったな。
あとはなんといっても、錚々たる顔ぶれの俳優陣の若さがもう楽しすぎて、堪りませんでした。
宝田明さんを偲んで
この作品は何度も観た
何度観ても面白い
監督と脚本は『お葬式』『タンポポ』『マルサの女』『あげまん』『大病人』『スーパーの女』『マルタイの女』の伊丹十三
ホテルにたかるヤクザを一掃するために戦うホテルマンたちと彼らに協力する民事介入暴力専門弁護士による社会派コメディーの傑作
伊丹十三監督の代表作
個人的には一番好き
痛快活劇のお手本
はじめはドタバタしていたけど弁護士が入れ知恵してから落ち着いてきた
鉄砲玉を取り押さえる時以外は暴力を振るわずあくまで合法的に暴力団と対峙した
大地康雄の演技が細かい
コメディー映画の名優だけに出番が減ってしまったのは残念でならない
一世風靡の三人が出てるのに哀川翔がなぜか出ていない
残念
朝岡実嶺が懐かしい
正統派の美人さん
テレビドラマ高校教師にも出てました
それにしても犯されているのに騎乗位は何度観ても不自然
でっち上げなんだからそりゃそうなんだろうけど
エピローグでヤクザに屈しないホテルマンたちや弁護士による人間の壁にロシアの侵略に抵抗するウクライナ国民を彷彿させた
原辰徳氏も見習ってほしかった
ホテルヨーロッパの会長に雇わられた弁護士の井上まひるに宮本信子
ホテルヨーロッパ総支配人に宝田明
元経理でヤクザ対策担当セキュリティ対策室長・総支配人特別補佐鈴木勇気に大地康雄
元ベルマンでセキュリティ対策室所属の若杉太郎に村田雄浩
ホテルヨーロッパ会長に大滝秀治
フロント課長に三谷昇
経理部長に鶴田忍
百万ドルの笑顔のホテルマンに三宅裕司
レストランのボーイに武野功雄
総支配人の娘に櫻井淳子
ホテルヨーロッパ役員に庄司永建
ヤクザ入内島に伊東四朗
ヤクザ伊場木に中尾彬
若頭に我王銀次
鉄砲玉に柳葉敏郎
入内島の子分に不破万作
入内島の子分に上田耕一
入内島の子分に小木茂光
入内島の子分に有薗芳記
ヤクザ花岡に小松方正
花岡の子分に大河内浩
花岡の子分に清水宏
エピローグの大親分に田中明夫
エピローグの大親分に関山耕司
プールのヤクザにガッツ石松
ロビーのヤクザに六平直政
明智刑事に渡辺哲
警察課長に河西健司
警官に鈴木正幸
裁判長に矢崎滋
外務者に務める支配人の友人に津川雅彦
支配人のゴルフ仲間の社長に柳生博
ヤクザに恐喝されている変なパーマをかけてるおじさんにきたろう
'92/5月ロードショー全国東宝洋画系
ヤクザの恐さが上手く出てる。『ミナミの帝王』に出てくるヤクザも恐いが『ミンボーの女』のヤクザもなかなか恐い。下手な大阪弁でここまで威圧出来るのはベテラン役者ならではかも。
民事介入暴力反対/日本弁護士連合会
みかじめ料
ヤクザにたかられること。地元で言えば、片町の飲み屋街の何割かは金を支払っているとニュースで言っていた。映画のような巨大ホテルがターゲットになることは稀なのだろうけど、対応の仕方が参考になる。人間誰しも自分が可愛いものだから、毅然とした態度もなかなか取れないことが多いのだろうな。
まず「ヤクザは暴力を振るわない」という前提の元、強要罪、恐喝罪に当たる行為にまで相手に喋らせるしかない。弱い人間は、そこまでいかずに金を払ってしまう。効果のあるのは録画・録音だ。裁判所に仮処分申請をすることも警察に動きやすくしてもらう最良の手段。ホームグラウンドで対面する等々。
この映画を作ったことによって伊丹十三は刺されたが、内容を見るとよくわかる。劇中、宮本信子が柳葉敏郎に刺されることもその事件を喚起させられる。彼女の父の回顧録を聞かされて、強い信念、正義の力を思い知らされます。
ラストシーンでの大地康雄が一人でヤクザの団体に対応する姿が最も演技が光っていた。力強い言葉を吐きながらも口元がピクピクと引きつってる演技なんて、普通の俳優にできるものじゃない。
最高の映画になりかけたけど・・・
暴力団に狙われた老舗ホテルを助けるため、ミンボー専門の弁護士が活躍する物語。
伊丹監督がマルサシリーズに続いて、余り注目されていない「民事介入暴力」の世界にフューチャーした秀作です。
暴力団の手口、それに対する一般人の対抗手段、その対抗手段を度胸と覚悟と自信で乗り切る女性弁護士。
暴力団員の悪逆非道に憤り、少し情けないホテルマンのドタバタを笑いながら、弁護士の痛快な弁舌にカタルシスを感じる極上のエンターテイメント作品です。
ただ、クライマックスは少々やり過ぎ感があります。盛り上げるために大袈裟にしてしまい雑になった印象が強く興ざめしてしまいました。中盤まではマルサを超える面白さだっただけに、残念でなりませんでした。
【邦画界に革命を起こした伊丹十三監督、第6作品。今作上映後その筋の方々から伊丹さんは肉体的暴力を受けたが毅然として対応し、却って映画の興収を上げた作品。】
ミンボー:民事介入暴力を略した警察用語
分かり易く言えば、
1.ヤクザが
2.一般市民の民事的紛争に当事者として介入し、
3.暴力団の恐ろしさを背景に、
4.不当な利益を得ようとする事
<映画の内容>
ヤクザと企業の闘い ”ヤクザ(総会屋)に狙われた企業(総務)がヤクザに屈せず、撃退する話”
学生時代、法律を学んでいた私にとっては、退屈な授業より余程面白く勉強になった?作品。
暴対法が2008年に施行され、2012年に改正法が施行されて以降、今作のような事象はほぼ(表面的には)ないが、今作が公開された1992年当時では当たり前の出来事だったらしい・・、と諸先輩から聞いている。
その時代に、今作を製作し上映した故、伊丹監督の映画人としての矜持に敬服する。(但し、当時の伊丹監督のインタビューを読むと、単に面白そうなテーマだったからという事らしい。成程。)
ヤクザ役で出演した俳優さんたちの凄み方だけでも観る価値はある。
・伊藤四朗さん (No1!)
・上田耕一さん (No2!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー (このラインで一線を画する)
・我王銀次さん(ドーベルマンみたいに怖い)
・中尾彬さん (顔が怖いが、マダマダである)
・故、小松方正さん
・故、田中明夫さん
・ガッツ石松さん
・不破万作さん
”番外編”
・鉄砲玉の柳葉敏郎さん (当たり前だが、若い。セリフなし)
<ヤクザの介入の仕方>
(例①:エセ同和 今では絶滅危惧種だが現在でも散見される)
(例②:電話による下請け参加強要 今でも業界では普通にある)
<鑑賞当時は笑いながら観ていたが、今では、良くぞ伊丹監督調べたなあと感嘆する作品である>
<1992年5月23日 劇場にて鑑賞>
ホテルヨーロッパに街宣車が来る!
若々しい村田雄浩に全盛期の大地康雄。おしっこから血のしょんべんのシーンは切なすぎるが、リアルにヤクザと対峙したらああなるのだろう。
暴対法とか暴排条例が完成する前の話題作。
とてもよかった
普通の臆病な人たちが勇気を出す話で感動的だった。特に何を鍛えたわけでもなく、情報を把握して作戦を遂行していた。しかし、一般の従業員がヤクザの相手を担当させられるなど、今ならパワハラだ。大地康雄は血尿を出していた。宝田明はアホ社長だし、奥さんと娘はとても感じが悪かった。
確かにこんな映画を作られたらヤクザは商売あがったりなので、監督を襲ってしまうのも仕方がない。そんな困難を顧みずにここまでの作品を作った伊丹監督はすごい。
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