「帰りたいが帰れないに」耳をすませば(1995) 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
帰りたいが帰れないに
1995年の作品
初鑑賞は一年後
清野菜名主演の実写化が影響し約四半世紀ぶりに鑑賞
原作の漫画は未読
原作は柊あおい
りぼんではお馴染み
当時妹が毎月買って愛読していたりぼんを借りて読んでいた
柊あおいといえば『星と瞳のシルエット』『銀色のハーモニー』であり『耳をすませば』はなぜか記憶にない
当時のりぼんは柊あおいよりさくらももこの『ちびまる子ちゃん』や岡田あーみんの『お父さんは心配症』『こいつら100%伝説』や高田エミの『ねこねこ幻想曲』にハマっていた
監督は『赤毛のアン』『名探偵ホームズ』『火垂るの墓』でキャラクターデザインと作画監督を務めた近藤喜文
のちに『もののけ姫』でも作画監督をやっているが47歳の若さで亡くなっているためこの作品が初監督作品であり最後の監督作品になってしまった
脚本は宮崎駿
ちょっと読んだ原作をヒントに妄想を膨らましこの作品を制作しのちに原作を熟読した結果「話が違う」と激怒したエピソードは『耳すま』ファンのあいだでは有名な話
例外に漏れず原作とはだいぶ違うらしい
僕は原作厨ではないのであまり気にならない
ただ初鑑賞当時テーマソングの『カントリーロード』の翻訳が元とはまるで違いむしろ真逆の意味だと知りショックを受けた
たしかにジブリ版は瑞々しい美しい歌詞だが高揚感を持って故郷に帰る男の歌が故郷に帰りたくても帰れない都会で頑張る男の話になっている
高校を出て上京したもののわりと数年で故郷に戻ってきた自分には受け入れることができなかったのだろう
だが名実ともに自他共に認めるおじさんになった今ではジブリ版も素直に受け入れることができるようになっていた
雫なりの意訳という設定だし
当時はストーリーが刺さらなかった
ジブリではあまり印象に残らないファンタジー
カントリーロードしか印象にない
それは自分が女子ではないせいかもしれない
柊あおいや高田エミより岡田あーみんにハマるような変態だからかもしれない
久しぶりにみたが話そのものはやはり刺さることなかった
ロリコン宮﨑駿らしい女子中学生の甘酸っぱい青春モノ
それでも眠くはならなかった
良くもなく悪くもない
傑作とはいまだ思えないが凡作とはまでいえず佳作が適切と思える
読書好きの中三で物語を描き始める月島雫に本名陽子
読書好きでヴァイオリンが上手で月島とは別クラスの天沢 聖司に高橋一生
市立図書館の司書として働いている雫の父・月島靖也に立花隆
大学院に通う雫の母・月島朝子室井滋
雫の姉で大学生の月島汐に山下容莉枝
バロンこと猫の人形フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵に露口茂
雑貨屋地球屋の主人で聖司の祖父・西司朗に小林桂樹
雫が通う中学校の保健の先生・高坂に高山みなみ
雫の親友でそばかすを気にする原田夕子に佳山麻衣子
雫の幼馴染で夕子が想いを寄せる野球部所属の杉村に中島義実
ベテランの先生に岸部シロー
俳優どころか俳優ではない人も声当てに参加しているが声オタじゃないせいかそれほど違和感は無かった