「北村一輝かっけー」皆月 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
北村一輝かっけー
新宿 k’s cinema の望月六郎監督作品特別上映で初鑑賞です。満席でした。
花村萬月の同名小説原作の1999年公開作品。
脚本は荒井晴彦。
瀧内公美と柄本佑主演のあの映画の監督&脚本の荒井晴彦。
ラストに流れる曲は下田逸郎のまさにあの曲でした。
歌は山崎ハコ💕
バックのアコギは下田逸郎&憂歌団の内田勘太郎。
この映画のセルフオマージュだったんですね。
北村一輝がかっけーのなんの。
オトコの色気ムンムン。
どうりで観客の4割は女性なわけです。
アタシを含めて、吉本多香美目当てのキモいオヤジ(注:けっして本心ではありませんが)ばっかりだと思っていたのに。
吉本多香美は女神さま。
昭和のソープランドに舞い降りた天使。
ウルトラマンの黒田進の愛娘ですから、我々の世代にとってはマリア様。それがソープ嬢役で台所でサラダオイルを北村一輝に背中にかけられながらの立○バ○クシーン。自我が崩壊しそうでした(笑)
自宅の狭い浴槽で奥田瑛二との対面座位での荻野目慶子もさすがです。当時、あの千歳烏山のマンション近くを通るたびに心がザワザワしたのが甦りました。
真面目な大手商社のサラリーマンの妻の実弟が極道だというシチュエーションは最初は消化不良気味でしたが、最後の前橋警察署での沙夜子がアキラの左肩を噛むシーンは姉弟間の近親相姦の匂わせも。アキラにとって沙夜子も諏訪も大事な家族だったんだなと妙に納得してしまいました。背中の彫り物が古代インドの性典の絵柄風なのも感心してしまいました。ちっともチンピラなんかじゃない。きっちりオトシマエとケジメをつけるアキラはカッコよすぎます。暴力シーンや濡れ場が多いにもかかわらず、どのシーンもセリフも必要不可欠。根っから悪い奴は一人も出てこないとさえ思ってしまうほど良くできた映画。今じゃ、こんな作品は作れない。撮影当時、北村一輝は吉本多香美にほとんど口を訊いてもらえなかったと。あのサラダオイルシーンで悪かったのは監督でも脚本家でもなく、北村一輝だと指さしたそうです。もしかして本気で感じていたのかも知れません😎