「つまらなさにショック」マルタイの女 水原秀策さんの映画レビュー(感想・評価)
つまらなさにショック
伊丹十三もこんな駄作を作ってたんだなと。マルサの女」を初めとする傑作を愛する身としては非常に残念だった。劇場公開時に見逃してたのだが、見ないままでいればよかったと後悔した。
ギャグ&シリアスのギャグが全然面白くない。滑ってる。満員に近い劇場でもクスリとするこえすら上がらない。
元来ギャグ&シリアスはバランスが難しい。この映画の場合はつまらないギャグによってシリアスシーンの緊張感を削いでいる。
また無駄なシーンも多い。「夢オチ」のシーンとか。あるいは犯人の逮捕シーン&自供シーン、あれは必要か? この映画は「マルタイの女」だろ。犯人の苦悩とか関係あるか? ラストのあれも気が利いてると思ったんだろうか。超絶的にダサいだけだ。
無駄なシーンが多いため敵からの攻撃が遅すぎる。しかもだ、「その攻撃有効か」というのが頻発してる。最後のほうで車に乗った女優を襲うところ、あれなんであのまま犯人グループは帰っちゃうの? 崖から突き落とせばいいじゃん。刑事は倒れてるし。意味がわからん。
細かいこと言うと「非番の刑事が拳銃持ってるか?」とか「護送車の窓がそんなんで割れるか?」とかあれこれ出てくる。伊丹十三と言えばディテールのこだわりに定評がある人だと思ったが。
コメントする