牡丹と竜
劇場公開日:1970年1月15日
解説
入山太郎の原案を、遠藤三郎と山上次郎が共同脚色し「悪名一番勝負」のマキノ雅弘が監督した任侠もの。撮影は、「日本残侠伝」の横山実と「昇り竜やわ肌開帳」の北泉成が共同で当った。
1970年製作/63分/日本
配給:日活
劇場公開日:1970年1月15日
ストーリー
昭和初期。人斬りの竜と異名をとる最上竜一は、大場の親分を斬った。時を同じく女房おりんに死なれた竜一は、残された子供竜夫を連れ、おりんのかたみの牡丹の花を持って旅に出た。竜夫の急病で金に窮した竜一は、テキヤの親分船越平蔵に身を売った。平蔵は竜一の侠気に惚れて大金を与え、竜夫は助かった。平蔵は、竜一にやくざをやめてテキヤになれと推めた。死んだおりんそっくりの平蔵の娘お弓に竜夫を預けて、竜一は、震災後の東京新宿へやってきた。頼った神源一家はなくなっていたが、テキヤ幸次郎や金次らの若手が新しい露店商組合設立に懸命だった。竜一は彼らに協力した。黒沼沼組という新興やくざが商人を苦しめていた。竜一も痛い目に会ったが、じっと我慢した。幸次郎は、テキヤの花川親分に黒川へのとりなしを頼み、黒沼も花川の申し出をしぶしぶ呑んだ。しかし、陰険な黒沼は、他の者を使って露店を壊させた。この間題は、テキヤの総会にかけられその席上、黒沼の客人猪熊は、竜一の素性を暴露した。そして三千円を出せば手を引くという。それを聞いたお弓は芸者に身を売り、竜一も飯場で働き、金を作った。黒沼は遂に、最後の手段に出た。花川を暗殺し、猪熊の仕業といいふらした。怒った竜一は花川から貰った名刀の封印を切ると黒沼組へ乗り込んだ。幸次郎、金次も後に続いた。猪熊と黒沼は朱に染まって倒れた。