劇場公開日 1988年4月16日

「暗い話」火垂るの墓(1988) コーヒービートさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 暗い話

2025年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

原作は学生時代、クラブ管理の山小屋へ向かう列車の中で読了。
いまでも小屋の本棚にあるかも知れない。
なんとも暗い話である。
当時売れっ子だった作者の野坂氏が「締め切りに追われて書いた。」
と後に話しているが、そのためか設定の甘さが問題になる。

映像化に際しては、その設定の甘さを補うためか
当時の風景・風俗の考証を徹底的に行っているが
それでも原作の欠点を補えなかったのは残念である。

思い切って原作は骨子のみ残し、
納得のいく設定の脚本を用意した方が良かっただろう。

公開当時、版元でスポンサーの新潮社が、
角川的なメディアミックス宣伝を行ったのも鼻についた。
あの週刊新潮の「東京通信」でさえ「激賞」したのである。
このため逆に映画館に足を運ばせる気がうせてしまった。

コーヒービート