「戦争への視点が違う作品」火垂るの墓(1988) 鳳凰院凶真さんの映画レビュー(感想・評価)
戦争への視点が違う作品
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この作品は、戦時中を舞台に、兄と妹が戦争を生き抜く姿を描いた作品です
が、私個人の意見としてはこの作品は私が今まで見てきた作品とは何かが違うのです
確かに、戦争の悲惨さ、惨さ、惨めさは十分に伝わってきました
それに監督もこんなことを伝えたかったかわからない…いやむしろ、伝えるつもりはなかったと思いますが…
私が今まで見てきた戦争のドラマや映画には大抵、徴兵令などで家族と涙の別れのシーンや人々の逃げ惑うシーン、お国のためにとほざきながら自爆して行くシーンなどがあり、「戦争は人がいっぱい死ぬんだよ、戦争はこんなにも悲惨だったんだよ!!!」と迫真の描写を入れながら「戦争は絶対ダメだよ!!!」と精一杯語りかけています
然し、この作品にはそんな描写があまり入っていないのです
確かに空襲やお母さんの怪我のシーンなどは入っておりましたが、後半部分は殆ど清太(漢字間違ってたらごめんなさい)と節子2人の自給自足の物語です
節子が死に、清太が節子の死体を焼くシーンもあっさりと終わり、清太のその後は孤独に死んで行くのですが、なぜか感情移入してしまうのです
この物語は戦争の悲惨さを伝えたいのではなく、あえて言うならば「守るものがあると、人は強くなれる」とでも言っているような気がします
決してハッピーエンドではないこの哀れな兄妹に、御冥福をお祈りいたします
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きりんさんのコメント
2018年12月31日
兄は、鼻持ちならない世間知らずとして描かれている。
その彼の人生の危機と成長がテーマかもしれません。
神戸大空襲を舞台とした野坂昭如の自伝的小説が原作。
実話がベースかと思うと更に痛い。