「野坂昭如の 自己告発」火垂るの墓(1988) きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
野坂昭如の 自己告発
あまりに辛すぎると
まるで他人事のように自分のやった事を語ったりする。
極限状態での精神の安全装置が働くからだ。
昨年、NHKラジオ深夜便で「戦争童話集」の朗読がずっと続いていた。
「火垂るの墓」は野坂昭如の実体験を元にするこの戦争童話集からの一編なのだが。
自分がどんなに駄目な人間で、
妹が死ぬなりしてくれて野坂の目の前からいなくなってくれれば楽なのにと考えていた人間で、
妹はその願い通りに死んで、
面倒な足手まといの存在は消えた。
童話の中では清太も死んだことにしてしまったけれど、
死ぬべき自分はこうして生きて、嘘の童話なぞ書いている
その自分を誰がどう思おうと糾弾するためのメモ。判決文。
それが火垂るの墓の原作だ。
誰かの手によってアニメーションや、戯曲になっても
それは違うと言い続け
自分は嘘をついているのだと死ぬまで自らを呪詛し続けた野坂昭如は、
2015年12月8日に、ようやく辛い体験から済われて死んだ。
自殺をしないことが自分自身への終身刑だったのかもしれないなぁ・・
野坂が亡くなったとき、訃報を聞いてそう思った。
お疲れ様でした
合掌
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When I am 75♥️さんのコメント
2024年1月30日
共感します。そうなんですよ。的確な解釈だと思います。戦争の強さじゃないんですよ。多いに共感します。
さて、
サクジ◯されないように気をつけましょう。サ◯ジョって言っても◯クジョされますね〜。嫌気か。わかるわかる。
クラシックコンサートでブラボーって最後に叫ばれるのとにてます。僕が悪いのはわかってますが、なんか嫌ですね。