ヘッドフォン・ララバイ
劇場公開日:1983年7月10日
解説
シブがき隊主演で高校駅伝をベースに三人の若者の友情と揺れ動く青春を描く。原作は窪田僚、脚本は「新宿酔いどれ番地 人斬り鉄」の小平裕と筒井ともみの共同執筆。監督は「五番町夕霧楼(1980)」の山根成之、撮影は「悪女かまきり」の奥村正祐がそれぞれ担当。主題歌は、シブがき隊(「ヘッドフォン・ララバイ」)。
1983年製作/100分/日本
配給:東映
劇場公開日:1983年7月10日
ストーリー
風間黎は授業中、転校生の安藤をいびりまくった教師を殴り倒し、一週間の停学をくらった。その間、黎は街で有沙という娘と行り合う。どこの誰かも分らないままに別れたが、黎は一目で心を奪われた。ある日、同じクラスのボクトツこと吉井が、黎のアパートに転がり込んで来た。黎は同居の条件として、一ヵ月後に行われる高校駅伝に出場することを約束させる。そんな時、安藤が不良仲間の西条たちから助け出した理奈という娘を、あずかってほしいと黎のアパートに連れて来た。ある日、理奈がボクトツの恋愛詩集を発見。一同はボクトツのためにラブカセットを作るが、それを届けた黎は愕然とする。相手は有沙だった。そして、有沙からカセットの返事をしたいと黎に連絡が入った。お互いのヘッドフォンを交換する二人。流れて来たのは同じ曲だった。やがてボクトツへの返事が来た。NOだ。アパートに帰りづらい黎は、夜のグランドに行き、そこで無心に走り続けている安藤を見つけた。コーチから安藤がかつて屈指のランナーだったことを聞いた黎は駅伝に誘う。ある日、黎と一緒にいるところをボクトツに見られた有沙は、「風間君が好き」と宣言した。黎に裏切られた怒りからボクトツは、以前から有沙に目をつけていた西条にそそのかされ有沙を誘い出す。西条に犯される寸前の有沙を、黎と安藤は大乱闘の末に救い出した。行き場を失ったボクトツは、以前、安藤がアルバイトをしているスナックで会ったことのある未樹を訪ね、彼女の故郷である北海道へ……。それを知った黎と安藤もあとを追った。ボクトツは、心配して来てくれた彼らの友情に胸を熱くしながらも、素直になれず走り去った。大会当日、ボクトツはまだ現われなかった。第一走者の安藤がトップで黎にタスキを渡したが、西条たちの嫌がらせでケガをしていた黎は、次から次へと抜かれ、とうとうラストになってしまった。倒れ込むように第二ポイントに着いた黎。その時、ボクトツが人垣を割ってとび出してきた。必死に走るボクトツ。ボクトツは二位でゴールインした。そして、母親が倒れたので田舎に帰るボクトツを見送り、三人はそれぞれの道を歩みはじめた。