兵隊やくざ強奪
劇場公開日:1968年10月5日
解説
有馬頼義の原作を「盛り場ブルース」の舟橋和郎と、「妖怪百物語」の青田哲郎が共同脚色し、「怪談雪女郎」の田中徳三が監督した“兵隊やくざ”シリーズ第八作。撮影は「続やくざ坊主」の森田富士郎が担当した。
1968年製作/80分/日本
配給:大映
劇場公開日:1968年10月5日
ストーリー
終戦直後の満州。上官を殴り部隊を飛出した大宮と有田はゲリラに襲われた、五人の日本兵を救った。だが、その五人が上官松川大尉の十万ドルの金貨を狙う極悪兵隊とは知る由もなかった。逃亡の途中二人は、敗戦を信じぬ加藤中隊に出会った。が、そのガンコ頭を罵ったため、食糧倉庫に放り込まれてしまった。そこへ、権藤兵長ら五人組が盗みに来た。だが、食料を盗むと彼らは、さっさと引上げてしまった。心頭に怒りを発する二人を、荒縄から解放したのは野鼠だった。二人は早速加藤中尉にお礼参りをすると、銃殺寸前の美人ゲリラを救った。大宮は久しぶりに女に接して悦に入ったが、それも束の間の出来ごとだった。大宮は逃げた女を追跡したが、彼女を発見できず、捨児を拾い帰る始末だった。有田は、足手まといの赤ん坊を嫌ったが、天性子供好きの大宮は、赤ん坊を置捨てることができなかった。有田が、金貨の所在を追及している解放軍に連れ去られたのは、大宮が山羊を盗みに出掛けた時だった。大宮は、赤ん坊と山羊を連れて、有田を探した。その頃、有田は拷問を逃れ、解放軍の追跡を受けていた。大宮がその一隊に出くわして、草むらに身をひそめた時、五人組に遭遇した。解放軍に脅える五人組は、泣きじゃくる赤ん坊に刃を突きつけた。怒り狂った大宮は、五人組を一気に殴り倒した。その光景を眺めていた郭は、大宮の腕にほれこみ彼のボスに紹介した。ボスは、賭場で勝ちつづける三人を片付けた時、有田の探索を引受けようと約束した。だが、大宮が相手にした三人は解放軍だった。金貨の行方を厳しく尋問する解放軍にさすがの大宮も死を覚悟した。この窮地を助けたのは、大宮が救けた女ゲリラの秋蘭だった。大宮は秋蘭から、解放軍が松川大尉に奪われた金貨を探していることを聞くと、松川に挑み無事金貨を解放軍に届けた。やがて、有田が戻って来た。だが、内地送還最終便が去った後だった。その後に、赤ん坊を抱いて見送る二人の姿が夕陽に映えて美しかった。