「どっこい、生きてるんだよぉ~」平成狸合戦ぽんぽこ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
どっこい、生きてるんだよぉ~
クリックして本文を読む
「金曜ロードSHOW!」で鑑賞(平成最後の放送)。
幼い頃から何度観たか分かりません。内容を理解するようになってからは、ユーモラスな描写と物語に籠められた鋭い風刺のギャップにやられてしまいました。
たぬきたちの生活は人間による環境破壊のせいで危機的状況に陥っているとは言え、作戦が成功したり、とにかく喜ばしいこがあると、すぐにどんちゃん騒ぎを始めちゃう…
とても大らかで心に余裕があるな、と…。中にはゴン太みたいな過激派もいますが、人間を追い出すための作戦を実行している最中も、どこか楽しんでいるような印象でした。
心の余裕とは、文明の進歩と共に人間が無くしてしまったもののような気がして、果たしてどちらが追い詰められているのか、ふとした瞬間に分からなくなるような感じがしました。
最終的に化ける能力を持ったたぬきは人間社会に溶け込み、能力を持たないたぬきはわずかに残された緑の中で暮らすことになりました。解決したのかそうでないのか、なんとも言えぬ結末を迎え、最後の最後にチクリと釘を刺されました…
製作から25年以上経った今も、痛切に訴え掛けて来るものがありました。人間とはなんと業が深い生き物なのだろう?
たぬきのように、おおらかに生きていくことが出来れば、もしかしたら今よりももっと幸せになれるのかもしれない…
平成から令和になっても、これから先何度元号が変わろうとも、ずっと観続けていきたい名作だと改めて思いました。
※修正(2022/08/06)
コメントする