故郷(1999)のレビュー・感想・評価
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おばあちゃんのマラソンという風変わりなロードムービー
まずは鹿児島知覧。特攻隊で戦死した兄の慰霊碑を訪れ、偶然にも特攻隊長である大滝秀治に出会う。軍歌「海行かば」が堂々と流れる・・・最初はもしや右翼の映画ではないのかと思ったほどだ。途中、偶然気付いたテレビカメラマン尾美としのりが彼女の姿をドキュメンタリーに収めたいと急遽追っかけはじめる。やがてマラソンファンが共に走り、彼女をしきりに応援しはじめるといった展開だ。 各県を回り、観光地を巡る気分で楽しめるが、彼女の目的、目的地が徐々に明かされ、実は1940年の幻の東京オリンピックの強化選手だったことも判明する。満州で一緒だった女性も登場したり、孫娘とカメラマンが仲良くなったりと色々盛りこんであるものの、最終地点の納沙布岬に着いたときには「あそこが私の生まれ故郷よ」というわざとらしいエンディングを迎えるのです。 鈴木宗男逮捕の事実さえなければ素直に感動できたのかもしれないですけど、海の向こうにはムネオハウスがあると思うと不思議な虚しさにも襲われます。 【2006年3月BSにて】
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