劇場公開日 1980年11月22日

「団地住まいの三好昭(渡瀬恒彦)とその妻子」震える舌 Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5団地住まいの三好昭(渡瀬恒彦)とその妻子

2024年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

数年前、アマプラ配信(だったのかどうかは定かでない)で視聴した時は、レビューすることは全く考えてなかったし、観る目的といったら蟹江敬三さんを見たいということと昭和のノスタルジーを感じたかっただけだったので、あらためてhuluで字幕ガイド付きで視聴してみました。

学術的に解明されていない(と作中で医者が言及する)破傷風という病気になってしまった娘の両親を丁寧に描いています。
悪霊に憑りつかれた娘とその家族を描いた『エクソシスト』(洋画のホラー映画)等を彷彿とさせます。今作は悪霊とか悪魔的なことは(多分)関係ないので、除霊したり悪魔を倒せば解決するというわけにはいかず、あいまいな医者に頼るしかないという怖さがあります。

父親(渡瀬恒彦)が泣くのをこらえながら、苦しむ娘の昌子に向って「他には子どもは作らないで、一生お前一人を愛してあげる」と言うような人だから今作が独特なのであって、もし真逆な性格の人で妻(十朱幸代)と慰めあい営みまくる展開だったら印象も全然違っていたでしょう。
渡瀬恒彦さんが演じた三好昭がこの映画のキーマンでした。

最後、安心して子ども作りそう、と思わせる締め括りが素敵でしタネ。

Don-chan