踏みはずした春

劇場公開日:

解説

藤口透吾の「B・B・Sの女」を映画化したもの。寺田信義・岡田達門が脚色、「暗黒街の美女」の鈴木清順が監督、「麻薬3号」の山崎善弘が撮影をそれぞれ担当した。「血の岸壁」の左幸子、「美しい庵主さん」の小林旭、浅丘ルリ子のほか、二谷英明、東谷暎子、夏川静江などが出演する。

1958年製作/99分/日本
原題または英題:The Boy Who Came Back
配給:日活
劇場公開日:1958年6月29日

ストーリー

バス会社に勤める緑川奎子はB・B・S(ビッグ・ブラザース・アンド・スターズ)のメンバーになった。B・B・Sとは非行少年少女たちを兄や姉の立場になって更生させる運動のことである。信夫は彼女が始めて扱う少年であった。彼は父親殺しの未遂で少年院から出たばかりだ。最初の夜、信夫は奎子をジャズホールに連れて行った。酔った奎子が気づいたとき、二人はホテルの一室にいた。しかし、信夫は彼女が心をきめて風呂に入っている間に、姿を消した。今日は気がむかねえから--という置手紙を残して。奎子はそんな危い目に逢ってもひるまなかった。信夫も彼女に親しみ姉ちゃんと呼んだりした。奎子は信夫が中学時代の同級生和恵を好きなのを知ると、彼女に近づいて行った。幼稚園の事務員をしている彼女だけが、信夫の純粋な気持を引き出せたのだ。が、信夫の行いは荒んで行く。奎子は何とかして彼を立ち直らせたかった。心配のあまり、自分の仕事に身が入らなくなった。あるいは、彼女はB・B・Sの立場を越えて、彼を愛していたのかも知れない。信夫は和恵のやさしい気持に動かされ就職する気になった。奎子の言葉には耳をかさなかったのに。しかし彼の前歴に社会は冷たかった。信夫の気をひきたてようと、奎子は彼と和恵を海水浴に誘った。信夫ははしゃぎ、和恵をいたわる。かれらの岩陰での接吻。奎子はふと淋しさに襲われ、それ以上に得体の知れぬ嫉妬に責められている自分を見出した。信夫は立ち直り、街頭で似顔絵描きを始めた。以前から和恵を狙っていたチンピラの梶田は、彼女をおびき出し、電気座布団で感電ショックさせた彼女を犯そうとした。が、和恵は刑事に助かり、一味のトンガリは捕った。警察でトンガリは主犯が信夫だと言った。信夫は無実を主張したが、誰からも信じられないのだ。「俺がよくなろうとしているのに」彼は歯がみして泣いた。--奎子の証言で、彼は釈放されたが、彼女が駈けつけたとき、瞳を輝せた彼が和恵と仲良く出てきた。奎子はそれをそっと見送った。これでいいのだわ、B・B・Sなのだから。が、彼女は自分が喜んでいるのか悲しんでいるのか、よく判らなかった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5"BBS"

2021年4月17日
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悲しい

興奮

萌える

恋愛とも似つかないような感情が何とも切ない左幸子演じる姉ちゃんの献身的な姿、知ってか知らずかラストは小林旭と浅丘ルリ子のハッピーエンド。

マーロン・ブランドの「乱暴者」やジェームズ・ディーンの「理由なき反抗」にも似た世間に対する怒りなど暴力でしか発散出来ない不良少年を、メチャクチャ二枚目な若かりしき小林旭が初々しくも格好良い渋さで魅了するフレッシュさが炸裂。

小林旭VS宍戸錠、セコい敵役ではあるが幼さが残るエースのジョーの若い頃もイケている存在感。

アイドル映画からミュージカル、ギャング物や青春映画にカルト作と様々なジャンルを撮った鈴木清順、今の時代の三池崇史みたいな、それは清順に失礼か!?

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万年 東一

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