武士道残酷物語のレビュー・感想・評価
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左翼系リベラリストの武士に対する個人的曲解。
日本の左翼系リベラリストの武士に対する個人的曲解。
明治四年 3月3日の出来事だから 廃藩置県の断行がこの年ではあるが、8月下旬の事なので、気配はあるものの、藩主自らが武士の魂のハズの髷を切って、下級武士に介護される訳が無い。同年は廃仏毀釈の年でもあるので、下層階級の民の文化にとっては、そちらの影響が大きい。
陳情に上がった農民を殿様が見せしめで処刑するが、農民が苦しんでいるのは、年貢である。中学2年生の社会で習うはずだ。
第二話は言うまでもなく、LGBTへの差別だし、その他の話も障害者などへの差別感は払拭出来ない。フーテンと言う言葉が使われるが、言うまでもなく差別用語に派生する。
最後の昭和38年の話は、オリンピック景気に湧く当時の景気動向には見えない。寧ろ、企業間談合が問題視される時代である。その理由は、昭和22年の独占禁止法の施行があり、財閥系資本主義の復活の根絶が目的だったはずだ。
歌舞伎の要素を取り入れ、忠義を描いたつもりだろうが、同時に土着の下層階級のアイデンティティまで混同してしまっている。つまり、歌舞伎は、下層階級の味わう話から発生しているので、武士道を説明出来る訳がない。
すべて女性がバカ殿からの残虐な行為を被ると言った話になっているとは思うが、バカ殿と並行して、被害者が命をつなぐご都合主義が理解出来ない。
また、本来、左翼運動の根幹は『階級闘争』のはずた。しかし、そう言った西洋的な考えの中に、仏教の『輪廻転生』を盛り込むと言った表現行為は、この時期に於いては暴挙と思える。まさか、明治3年の廃仏毀釈までのアイロニーとは思えないが。
追記 最後のカップルは我が両親と同年だ。所謂、アプレゲールの最初の世代。いわば戦前、戦中の世代にこき使われる世代であり、この後の団塊の世代にもその人口に圧倒された世代と言える。つまり、古臭くい徒弟制度が姿を消して、アメリカンな実力主義が台頭してくるのである。良い事もあれば悪い事は沢山あった。この映画は今の日本の映画の元祖のような映画だ。到底、評価できない。
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