復讐するは我にありのレビュー・感想・評価
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惜しくなか、俺の一生こげなもん・・・‼️
「にっぽん昆虫記」「赤い殺意」「神々の深き欲望」‼️どれも力作なんですけど、どうも今村昌平監督作品は肌に合わない‼️今村監督の脂っこいエネルギッシュな作風が苦手なのかも⁉️でもこの「復讐するは我にあり」だけは別格‼️初見は高校生の頃でしたか、とてつもないショックを受けて以降、何度となく見返してますが、衝撃度は何ら変わる事はありません‼️主人公は緒形拳さん扮する榎津巌、専売公社の集金係2人を殺害し、全国指名手配に‼️そんな中、裁判所で被告人の家族に接近し、保釈金を横領、そこで出会った老弁護士を殺害し、金品を奪う‼️大学教授を装い、とある旅館の女将とその母親と親しくなるも、これまた殺害‼️結局逮捕され、死刑に‼️とにかくこの榎津という男、明確な動機もなく殺害しまくり、なんてこともないシーンから不条理な人間性というか、人間の原罪がこの榎津という男を通して画面に展開し、観る者の心の臓を鷲掴みにしてくれます‼️ドスの効いた声で榎津に魂を吹き込む緒形拳さんの熱演、見事です‼️そしてこの作品は、そんな緒形拳さんと豪華共演陣の演技合戦を堪能する作品でもあります‼️旅館の女将ハルに扮する小川真由美さん‼️榎津に惚れ、榎津を匿い、榎津の子を身籠りながら、母ともども榎津に殺される悲しい女の性(さが)‼️榎津が「浜松で殺したのは3人!!」と述べるシーンは、榎津のハルへの想いを感じさせられました‼️そしてその母に扮する清川虹子さん‼️元殺人犯で収監された過去を持つ‼️老いた風貌の中に凄みを携えた演技‼️競馬場から榎津と帰るシーンのセリフ「殺すなよ、榎津!!」はビビります‼️静かな迫力‼️そして父親役三國連太郎さん、母親役ミヤコ蝶々さん、妻役倍賞美津子さん‼️敬虔なクリスチャンで立派な人物である三國さん、それ故の息子との相克‼️榎津の妻でありながら、三國さんに惹かれる倍賞さん‼️露天風呂での二人の絡みは必見‼️そして倍賞さんに主人を盗られたと憎悪の表情を募らせるミヤコ蝶々さん‼️皆さんホントにスゴいです‼️人間の業の深さ体現されてます‼️中でも緒形さんと三國さんの刑務所での対面シーン‼️がっぷり四つの千秋楽‼️緒形さんのギラギラした感情を冷静に捌く三國さん‼️一生忘れません‼️
冷血
敬虔なクリスチャンの家に殺人鬼が生まれる。こどもの頃から気が強く、反抗的だったらしいが、生育環境がほとんど描かれない。母親は甘やかしていたようだが、父親はどうだったのか。映画では性悪説をとっているのかな。人を殺す理由も基本は金目当てだろうが、あまり細かく描かれないし、もうほんとに淡々と殺すので恐ろしい。緒形拳が底の知れない感じで、終始冷たかった。女を抱いてても、まったく熱さがなかった。
賞賛したいのは、倍賞美津子、小川真由美の体当たり演技! 倍賞美津子の露天風呂シーン、小川真由美の目はすごい。小川真由美の母親役の清川虹子もすごい。社会の底辺で、抑圧されながら忍んで生きるやるせなさ。うーん、切ない。
タイトルは聖書の言葉からの引用。主いひ給ふ、復讐するは我にあり、我これに報いん[Wikipediaより]、悪人に報復を与えるのは神が行う、という意味らしい。巌は十字架のネックレスをしていた。逮捕され、死刑執行されるまでの間、彼は復讐されただろうか。
トルーマン・カポーティの「冷血」も読むか、観るかしたくなった。
BS松竹東急の放送を鑑賞。
人間の悲しい性
最近新宿ゴールデン街に飲みに行った。ゴールデン街というのはかつて青線地帯であり、非合法の売春が行われていたところだ。原作者の佐木隆三はここで飲み歩いた作家であり、ゴールデン街から直木賞作家が生まれたと騒がれた人だ。この映画で描かれている浜松の旅館はなにかこのゴールデン街を彷彿とさせる。
温泉旅館の親子は犯人を匿い、犯人の味方となった人たちである。そのような人たちでも犯人は容赦なく殺してしまう。人間とはここまで残忍になれるのか。狂気の連鎖が連続殺人犯を支配する、殺人という重い罪でも一度犯してしまうと歯止めが効かなくなるのだろうか。
今も昔も連続殺人事件は世間の格好の見世物となる。マスコミは騒ぎ立てる。なぜかいつも強い興味を持ってしまうのは怖いもの見たさだけではあるまい。自分に関係ないこととして高みの見物を決め込む人間の悲しい性である。
とっ散らかった印象でまとまりを欠いた感
子供の頃テレビのロードショーで見ていたら最初の殺人後のエロシーンで親にテレビを消されて以来、数十年越しの通し初視聴。
こんな内容だったのか・・・・という感慨があることはあるが、犯罪サスペンスという題材的には緊迫感がないし、凶悪犯の犯罪心理という面でも全く物足りないとしか言いようがなく、とにかく冗長で辛い視聴タイムでした。
ただ、最後の殺し場面に関しては「やはり殺さないわけにはいかなかったか・・・・」という、やり場のない諦念めいた心境にはさせられたけれど。
音楽が全然合ってないのも痛かったな・・。
エンドクレジットで監督として今村昌平の他に4名ほど名前があったが、もしかしたらチームごとバラバラに撮影を進め、それを今村さんが総合監修したということなのかもしれない。
であれば何ともとっ散らかったまとまりのなさの要因の理由づけになりそうな気はする。的外れかもしれないが。
緒形拳が九州、浜松、東京で5人を平気で殺し、 その後も詐欺を繰り返しながら 指名手配から逃げ回った男を演じる。 昭和38年にあった実際の事件がモデル。 おぞましい凶悪犯罪者の姿に戦慄を覚えた。
動画配信で映画「復讐するは我にあり」を見た。
劇場公開日 1979年4月21日
1979年製作/140分/日本
原題:Vengeance is Mine
配給:松竹
緒形拳
小川真由美
倍賞美津子
フランキー堺
ミヤコ蝶々
清川虹子
三國連太郎
今村昌平監督
復讐するは我にあり
(Vengeance Is Mine )は佐木隆三の小説。
緒形拳が九州、浜松、東京で5人を平気で殺し、
その後も詐欺を繰り返しながら
指名手配から逃げ回った男を演じる。
昭和38年にあった実際の事件がモデル。
おぞましい凶悪犯罪者の姿に戦慄を覚えた。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
絶望は罪。悪の凡庸さを落とし込んだ作品
内容は殺人鬼である主人公とそこに巻き込まれる人々の話。実話を元にして描いた小説が元ネタになっているので感情の無い行為に主人公の内面を映す様で面白い。原因は戦後の幼少期体験と環境により、母親の『こん家には悪魔が棲みよるとよ!』と幼少期の『負けたんぢゃ父さんは、』は一生通じて確執を残した唯一の味方の母親と唯一の敵の父親との確執が言葉が耳に残った。色んな意味で悪魔という表現が的確だけに復讐するは我(神)にありだった様に感じた。抑圧と我欲の為に自縄自縛で呪われてしまった様に思えた。最後のシーンで自分も別府のロープーウェイに乗り同じ場所に行った事もあるが風の強さと寒さは半端なく厳しい場所で、自分で作った子供は自分で始末を着ける父親。最後も一片の骨持ち帰る所にあわられていた様に思う。散骨の際に一時停止して父親が『ああっ??』と自然現象に不思議がる部分が、唯一子供(主人公)が神となり復讐した部分かもなと感じました。重いですが面白い作品です。
役者陣がすごい
韓国のポン・ジュノ監督の好きな1本という理由で、ネトフリで観ました。
内容はノアールだけど、出ている役者陣、緒方拳、三国連太郎、ミヤコ蝶々、倍賞美津子、
小川真弓、清川虹子などなど、演技が凄すぎる。
特に倍賞さんと小川さんの色っぽさが傑出。
なんなん、巌
ジワジワと説明できない怖さが込み上げる。
緒方拳 演じた巌の目が顔が脳裏から離れん。
いや、彼だけじゃなくって、
三国連太郎の 鎮雄
ミヤコ蝶々の かよ
倍賞美津子の 和津子
小川真弓の ハル
清川虹子の ひさ乃
殺された弁護士、質屋や、ハルの旦那、その他、出てきた人ぜんぶが頭に残り過ぎて、怖い怖い怖い。
取り調べするフランキー堺の河井警部だって、飄々としてる様が、なんだか怖いもん。
これは、なんだ?!
淡々と実話だから怖いん?
なんなん、巌。
なんで、そんなにサラッと殺めるん。
説明のつかん残像感が、また観たいという欲求を刺激する。
ただ、こんな濃い映画は心と身体に力があるときしか観れん。
身近なところで殺人事件が起こっていた
全くのフィクションではなく、実際に起こった犯罪がベースになっているらしい。そう思うとホラー映画より怖いかもしれない。
弁護士が殺されたアパート、肉屋と金物屋で買い物をするシーンがでてくるが、どれも都電の雑司が谷の停留所の近くであり、実際に何度も通ったところなので、感慨深いものがあった(事件はかなり前であったが)。ただ、副都心線の雑司が谷駅が出来た頃からはすべてなくなっているが。
長い割には最後まで面白く見られたが、無慈悲に殺人を繰り返す主人公には全く感情移入できず、感動はイマイチだった。
面白い原作に負けない
佐木隆三の傑作ノンフィクションを今村昌平が監督、殺人鬼を緒形拳が演じている。
公開時は圧倒された記憶がある。
前半はショッキングな殺人シーンが続き、後半は妻の倍賞美津子の一途さといい、長逗留する宿屋の女主人、小川真由美の悲しみといい、二人の対照的な生き方が胸を打つ。
ザ・映画
怖いけれど思わず何度も見てしまう映画です。どんなに原作が良くても、こんな映画はもう作れないと思います。役者がみんなプロ!緒形拳、三國連太郎、ミヤコ蝶々、倍賞美津子、小川真由美、清川虹子、北村和夫、と並べるだけでワクワクします。
ある時期、このタイトルは聖書から来ていることを知りました。今回、ちゃんと調べました。新約聖書のローマ人への手紙、第12章第19節:愛する者たちよ。自分で復讐をしないで、むしろ、神の怒りに任せなさい。なぜなら、「主が言われる。復讐はわたしのすることである。わたし自身が報復する」と書いてあるからである。
なんとマーカーが引いてあった!この映画と関係あるからと、昔、調べたんだろうか?すっかり忘れていました。
真っ白な肌の小川真由美、健気で可愛らしい。そして母親役の清川虹子はどんな人生背負った役なのか、説得力持って見せることができる女優さんで、緒形拳役の本性を最初から見抜いていた唯一の登場人物だったと思います。
復讐するは我にあり
この主役を当初今村昌平は渥美清にオファーして断られているという話しが好きだ。
実現していたら日本の映画史は変わっていたろう。
倍賞千恵子でなく倍賞美津子と渥美清。
不貞な跡取りの渥美清が方や失恋を、方や殺人を繰り返すという。
昭和の殺人鬼
というと鬼畜なイメージになってしまうが、トラウマとなった父親や妻、それぞれの土地で出会う女性たちとの関係により、殺人鬼なりの人間臭さが画面中に滲み出ていて、圧倒される。殺す相手は、いつも恨みのある人間ではない。では何なのか?
複雑だった
・倍賞美津子はどの映画観ても陰のある役が多いなぁと思った。殺人犯の妻で最終的にはその父親と暮らしたいっていう感覚が凄いなぁと思った。全然、平凡な妻じゃなかった。
・時間軸を行ったり来たりしまくったので、頭がついていけなかった。
・60年代の日常が今と違いすぎて驚いた。町の商店で釘を量り売りとか今じゃ考えられない。旅館に今でいえばデリヘル?が専属で契約している形なのも時代だなぁって思った。そこの女性たちの生活感に悲壮感がなくてほっとした。たしか半纏着てネギ買ってっていうのが何だか凄かった。
・後半に出てきた旅館の妾の人の暮らしが主人公以上に悲惨で苦しくなった。最近出所してきたっぽい殺人犯の母が60代くらいでボートレースが唯一の趣味で娘が40代くらいで妾で囲ってる男も何だか酷い男で殴られたりしても母親は何も言えなくてみたいなシーンを観ていたら辛くてたまらなかった。そこに殺人犯の緒形拳が教授ですって嘘をついて入ってきて教授と付き合えるとうきうきしている姿がまた苦しくなってくる。最終的に映画館の予告の合間に流れた追跡中?の写真でばれる所が切なかった…。最期は緒形拳に殺されてしまったけど、何だかどうしていいのか本当にわからなかった。
・ラスト、遺骨を高台から投げ捨てる所が、ビッグリボウスキを思い出した。途中、ケーブルカーですれ違った密集してたお遍路さんたちは何だったんだろうと思った。
親子の歪み
どうしてこんなに淡々と人を殺せるのか、その動機を探そうと見ていた。途中からどうでもよくなってぼんやり眺めてしまった。小川眞由美の体が綺麗だなあくらいしか…あとミヤコ蝶々この時にもう腰曲がりかけてて、でも演技が可愛らしくて感動した。
そういえば首絞められながらキスシーンは今村昌平の映画学校出身の李監督『悪人』でもやってたね。このシーンみんな好きなんだね。
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