「続編」復讐 消えない傷痕 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
続編
冒頭では覚醒剤絡みでの暗殺集団の運転手をしていた安城。その中の一人が復讐のターゲットだったようだが、その取引相手である山野辺を殺害。生き残りを逮捕した警察だったが、そいつが安城の写真を見せられ主犯だと告げる。
中橋署の西刑事は課長(大杉漣)にかけあうものの、課長は安城の復讐を容認しているかのようで取り合ってくれない。西は独自に闇資金ルートの資料を手に入れ、安城に情報交換を持ちかける。しかし、安城は完全無視。
前作と違い、黒沢清本人が脚本を担当。序盤には車に乗った吉岡組組長(菅田)と子分と安城のシーンが4分強の長回しとなっていた。全体的に引きの映像ばかりで、かなりこだわりが感じられる。ストーリー的に考えると、前作とは全くの別物ととらえたほうがいいのかもしれないが、吉岡というヤクザの存在が面白くさせているのだ。
殴られそうになるところを助けたきっかけにより、友人として付き合うようになった吉岡と安城(山本という偽名で)。杯を交わそうとするも断られ、将棋を打ったりドライブに付き合ったりといった関係。弱小事務所のやりとりもヤクザの虚しさを伝えてくれている。なんたって車が高級車じゃなくて、セリカ(?)のカブリオレだったりして、常に汚れっぱなし。しかもストーリーが進むにつれ、汚れがひどくなってゆく(笑)。子分を上の組織にスカウトされ、怒った吉岡がその子分を殺し、ついでに殴り込みも・・・岩手県の朝比奈温泉に事務所ごと引っ越すという夢も断ち消えになるどころか、単独殴り込んで死んじゃった・・・
山本の住むアパートの住人の女の子(小林千賀子)に服飾学院のパンフをもらうために採寸されるモデルとなった。彼女とも発展しそうで発展しない。アパートのドアノブにプレゼント(?)の紙袋をかけていく姿もなぜか虚しい。
そうこうして復讐相手にたどり着いた安城だったが、結局その大物の上にもまだ黒幕がいるんじゃないかと匂わせる。しかし、しょうがないので大物の妻もろとも殺害。最後に吉岡の車で駆け抜けるシーンが虚しく映る・・・