劇場公開日 1961年6月23日

風来坊探偵 岬を渡る黒い風のレビュー・感想・評価

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4.5新人・深作欣二×千葉真一の才能が垣間見える

2022年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

映画「風来坊探偵 岬を渡る黒い風」は、主要スタッフ、キャストが深作欣二初監督、千葉真一初主演の第1作「風来坊探偵 赤い谷の惨劇」と一緒なので、2本同時撮りでしょう。拳銃コンビの千葉真一と曽根晴美が、麻薬密輸団と対決するアクション・サスペンス映画「風来坊探偵シリーズ」第2作。
スピーディでテンポいい深作演出と、アクションも吹替えなしで魅せる千葉真一に、その才能が垣間見える。拳銃コンビは、日活、小林旭×宍戸錠の「渡り鳥シリーズ」(1959年~)の模倣ながらも、若さ溢れる千葉真一のフレッシュな魅力と、曽根晴美のコミカルな演技が楽しい。
また、冒頭と中盤、嵐の海で漁船が沈没する特撮は、東映特撮の旗手・矢島信男の仕事で、CGのない当時としてはダイナミックな場面になった。矢島は、その後も深作監督と組んで、「宇宙からのメッセージ」(昭和53年)、「魔界転生」(昭和56年)、「里見八犬伝」(昭和58年)などの特撮を担当している。
ヒロインの北原しげみはキュートな感じの美人女優さん。
もう一人、小林裕子は東映東京の現代劇で活躍した女優さん。昭和34年の「七色仮面」(島津昇一監督・波島進主演)で、迷探偵・金有左門の助手、荒井三子(通称ぼやきの三子)役が漫才コンビのようで忘れられない。庶民的な感じの女優さんでファンでした。
千葉真一のウィンチェスター銃、曽根晴美の拳銃、クライマックスの派手な銃撃戦は深作演出の真骨頂。深作欣二×千葉真一の出発点となった「風来坊探偵シリーズ」全2作、お薦めです。

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papatyan