劇場公開日 1956年1月21日

「ビルマの土はあかい 岩もまたあかい」ビルマの竪琴(1956) 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ビルマの土はあかい 岩もまたあかい

2020年8月22日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

楽しい

一度は聞いたことのある名作。
ビルマの竪琴も市川崑監督作もこれが初めてでしたが、とても良い映画でした。
中井貴一版の方が有名ですが、これはそれより30年も前、戦争からは10年ほどしか経っていない時に作られた作品です。
全編モノクロなんですが、観ているうちに色鮮やかに観えてくるようで、役者さんの表情も当時の不安と熱意に溢れていてとてもリアルでした。
話自体は淡々と進んでいき、特に大きな展開があるということもなく、展開は想像できる分かりやすいもの。
しかし、モノクロで淡々としているからこそ、強くて深いメッセージ性がありました。
どんどん映画の中に引き込まれ、まるで自分が水島の立場に立ったかのような感覚になるので、戦争の恐ろしさや悲惨さがよく伝わってきました。
そして、なんといっても戦争の恐ろしさを描きつつも、合唱で一つになる彼らや現代でもクスッと笑えるようなところがこの映画の良いところだと思います。
なぜか関西弁を覚えた現地のお婆さんはここ最近で観た映画で一番好きなキャラクターかも。
歌の力、琴の力、音楽の力。
観て良かったなと思える作品です。
同じく市川崑監督ですが、比較として中井貴一版も是非観てみたいと思いました。

唐揚げ