人斬りのレビュー・感想・評価
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三島由紀夫がすごい
勝新太郎、仲代達矢、三島由紀夫、石原裕次郎の共演で幕末の暗殺者、岡田以蔵を描く作品だ。とにかく血なまぐさい殺陣すごい。テレビ出身の五社監督だからこそできる、それまでの様式的な殺陣とは異なる、本物の殺し合いの凄みに迫ろうと試みた野心的な作品だろう。序盤の吉田東洋の暗殺の場面は鮮烈な印象を残す。岡田以蔵がそれを見て感化されるのも納得の凄惨で人間の生き死にの瞬間の、鮮烈さが描かれている。
勝新太郎演じる岡田以蔵のチャーミングさとやんちゃさを併せ持ったキャラクターも憎めない感じが出ていて良い。大きな人斬り仕事に置き去りにされた以蔵が、ふんどし一丁で駆け出すシーンは大変に印象的だ。
そして、なんと言っても薩摩の田中新兵衛を演じた三島由紀夫の切腹シーンがすごい。実際に三島が切腹自殺をする1年前の作品だが、この頃の三島の佇まいは強烈な殺気と色気があり、いるだけで画面が引き締まる。
ドングリの背比べな村社会の「イザコザ」を残し、日本は世界に負けた。
殺陣を目的に見たが、御託を並べすぎ。
それならば、もう少しきちんとした解釈をしてもらいたい。
「岡田はもういらん。これからは、戦争よ」と武市に言わせしめるが、眉唾なファンタジー。
「気に入らぬなら国へ帰れ」
さて、国とは?
藩と言う村社会は、カオスを抱え、それが大日本帝國へと新たなカオスを生むことになる。そして、中国、米英、韓国に負けてカオスが表面的にやっと収まる。しかし、時すでにに遅し。相変わらずの空気を読めぬ顔色から、
全世界からは主役の座は降ろされる事になった。それで、良いとは思うが。
統一した大日本帝國としてのナショナリズムも無いまま、また、開国に対するリテラシーも東洋哲学もない者だけが生き残って、明治維新を迎え、鬼畜米英だけでなく、中国、朝鮮のアジアからも見下される目に合うのである。但し、哲学、リテラシーを持った人物が残っていても同じ歴史を繰り返した可能性は高い。
そもそも、この主人公はテロリストでは無く、ただの人殺しマニア若しくは、金の為に人殺しをやった人物だと思う。
唯一無二、三島由紀夫の切腹はリアル。勿論、良し悪しは別問題。
映画はアクション無しでスカスカ。やはり、テレビ。
三島由紀夫出演。
ヤクザ映画で見たことはあるが、三島由紀夫が時代劇出演の経験があったとは知らなかった。それだけでも観た甲斐があった。彼が実際に切腹自殺する前の年に映画で切腹するシーンを演じていたとは。ボディビルの効果か、実に見事な筋肉だった。勝新太郎の殺陣は雑に見える。少々長過ぎるのも玉に瑕。
何が為に斬る
五社英雄監督1969年の作品。
『御用金』に続くフジテレビ製作映画。
本作も大ヒット。同年に2本の時代劇巨編を大ヒットに導いた五社監督の手腕もさることながら、映画界に参戦したばかりの一介のTV局の商業も目を見張るものがある。なるほど、今も映画製作を続けている訳だ。
勝プロダクションも共同で製作。すでに映画を製作していたが、時代劇映画は本作が初。『座頭市』じゃなかったのか…。
主演は勝新太郎。共演に仲代達矢、石原裕次郎、デビュー間もない倍賞美津子。そして、三島由紀夫。豪華なスターたちと異色のキャスティング。
原作は司馬遼太郎。脚本は橋本忍。
五社監督の手腕もますます冴え渡った、こちらも一大娯楽巨編。
題材は、岡田以蔵。
幕末の四大人斬りの一人で、“人斬り以蔵”の名でも知られる。
扱われた作品は数知れず。時代劇に少々疎い私でも聞いた事ある。
が、詳しくは知らない。関わった事件、人物など絡むと私なんぞより歴史好きの方々の方が詳しく説明出来るだろうが、あくまで個人として見ると、『るろうに剣心』の剣心なのだ。(尚、剣心のモデルは同じく幕末四大人斬りの河上彦斎)
この国の未来の為と、人を斬る。それは“殺し”ではなく、“天誅”。
そう信じていた。が…
以蔵は己の矛先に何を思い、何を見たのか…?
土佐の貧しい村で燻るような暮らしをしていた以蔵。
彼の剣には他に縛られない野獣のようは鋭さがあり、その腕を武市半平太に見込まれる。
だが、まだ人を斬った事のない以蔵。人を斬るとは如何なものか、武市らが土佐藩執政・吉田東洋を斬る場を目に焼き付ける。(武市らによるクーデター事件)
斬る!斬る!斬る!…ギラギラメラメラと、己の中から燃えたぎる。
武市率いる土佐勤皇党は、京都へ。
その勢力は留まる事を知らず。中でも以蔵は“人斬り以蔵”と知れ渡り、一目置かれていた。
自分を見出だしてくれた武市への忠誠は変わらず、しかししばしば働きが度を過ぎ、武市から叱責を受ける事も。
そんな中、同じ土佐出身で今は別の道を歩む坂本龍馬と再会。
また、薩摩藩で同じ人斬りとして名を轟かせる田中新兵衛と出会う。
坂本龍馬から勝海舟の護衛を頼まれた事で、武市との関係が悪化。以蔵は離反。他の藩へ自分を売るが…。
俺を欲している藩なんて幾らでもいる。すぐ雇われる。
慢心だった。
何処も以蔵の腕は買うが、雇い入れるまでは及び腰。何故なら、
武市の“犬”で、暗殺者。もし雇い入れたら、土佐藩、勤皇党、武市…いずれとの関係が危うくなる。
武市の“犬”として飼い慣らされ、そこから逃れる事は出来ない。暗殺者として背負った宿命からも…。
新兵衛や想いを寄せ会う女郎の前で泣きじゃくる。
抗い、運命は自分で決める。が、そうは出来ない不器用な者も。
結局、武市に頭を下げ、戻るしかなかった。
武市から暗殺の密命。標的は耳を疑う人物。そしてその罪を、新兵衛がした事に。
以蔵は従うしかなかった。
以蔵の精神は苦悩に満ち、酒に溺れ…。
岡田以蔵の実物像は残されていないとか。数々の映画やドラマでは冷酷な暗殺者。二次創作のアニメやゲームではイケメンキャラ。
本作では勝新太郎が演じた事により、人間臭く、喜怒哀楽激しい人物に。
おそらく人によっては賛否分かれる。豪快な性格で、女も酒も好きなんて、勝新まんま。
勝新が岡田以蔵を演じたのではなく、岡田以蔵を勝新に合わせたような。
突飛なキャラ立ちでもある。しかしその中に、苦悩や哀愁を滲ませた熱演を見せる。
これはこれでスターの貫禄とインパクト充分。
武市も然り。調べると、高潔な人物とも評される武市。しかし本作では、目的の為なら手段を選ばない策略家で、不要になったら忠犬でさえ無情に切り離す冷酷さ。人斬りの以蔵より恐ろしい。仲代達矢が抑えた演技でそれを感じさせる。
無情に切り離す主もいれば、気遣う友も。人斬りや武市配下の以蔵の今の境遇を、何とか脱してやりたいと手を差し伸べる坂本龍馬。石原裕次郎が好助演。
勝新以蔵も仲代武市も石原竜馬も、イメージと違う、コレジャナイ!…と感じる人も多いだろう。が、圧倒的オーラのスター同士の共演については、誰も異論無い筈。これも映画鑑賞の醍醐味の一つ。
とりわけ異彩を放つは、田中新兵衛役の三島由紀夫。
出番はそんなに多くない。途中退場も…。が、
田中新兵衛はある暗殺事件の犯人とされる。明確な証拠は無いが、犯人である事に間違いないとの後年の検証。本作では罪を着せられた形に。
その取り調べ中、肯定も否定も曖昧のまま、突然切腹自害。史実通り。
演じた三島由紀夫も公の場で切腹自害した事はあまりにも有名。しかもそれを決行したのは、本作の翌年の事。
何の因果なのか、劇中と実際が奇妙にリンクし、三島の迫真の演技もあって、忘れ得ぬシーンに…。
ただただ演じただけなのか、三島由紀夫のリアルなのか、それとも田中新兵衛が憑依したのか…?
とは言え本作は、五社監督の手腕が存分に活かされた娯楽巨編。
橋本忍脚本による話は中弛みせず。
ダイナミックなアクションや見せ場。生々しい暗殺シーン。
訴え、問うドラマやメッセージ性も。
国の未来の為とは言え、国家転覆を図った彼らは、テロリスト。
そんな彼らをヒロイックに描くのではなく、罪人としてのその最期。哀しき末路。五社監督の“滅びの美学”。
利用され、裏切られ、切り棄てられ…。
そんな中でも友と話した夢があった。
いつの日か、農民も侍も殿様も平等な世界が来る。
いや、それこそが、この国の未来だ。
夢物語? いいじゃないか、そんな夢を見て。信じて。
今のこの国は、そんな夢見た世界に、未来になったか…?
以蔵よ、今の日本をどう見る…?
しっかり堪能するには最低限の歴史的知識は必要
そうすると一部のキャラに非常に違和感を感じるが、そこは映画。すぐに慣れてしまう。
仲代達矢が醸し出す緊張感と勝新太郎が醸し出すユーモア感と言うか、大衆娯楽感と言うか・・そういうものがバッチリ噛み合ってとても面白かった。主人公のキャラクターがとてもよく分かり、そのキャラクターゆえに陥る苦しみ悲しみというものがよく伝わってきた。こんなキャラクターをしっかり描ききった橋本忍はやっぱりすごい脚本家だ。またこの映画には橋本脚本には珍しく、主人公が女と絡むシーンがある。そこのところがあることによって主人公のキャラが非常によく伝わってくる。それと女の態度やセリフが結構ジーンと来るものがあってよかった。
難点を言うとちょっと長すぎるところかな。あと締めくくりもしっかり昇華しきったという感じがせずに少し引き締まりがこないまま終わったという感覚があった。これはストーリーの性質上致し方なかろう。何しろ橋本忍が書いてもこのようにしか書けなかったんだから。
カメラや演出もとても良かった。街並みの美しさもあったし女郎屋での人物の絵もとても美しかった。もしかしたらリマスター版で色を加工していたのかもしれないがまぁ不自然さがなくて綺麗だった。やっぱりはフィルムは美しい。演出で冴えていると思ったところは走るところだな。・・あの部分は脚本上でも非常に重要な部分で・・それをあのような音楽をつけてあのようなカメラワークで撮影してああいう映画にしたら・・監督冥利に尽きるな。それと三島由紀夫の・・これはネタバレになるのでここには書けない。三島由紀夫の演技全体は良いのか悪いのか非常に微妙だが、あのシーンだけは・・・!
あと超人気のあった石原裕次郎も魅力的だった。今の若い女の子がこん時の裕次郎を見てどんな風に思うかちょっと聞いてみたいもんだな。
とにかくこれはこんだけ長いのにあきっぽい私が一回も休憩せずに一気に見たのだから中々の映画なのは間違いない。五社英雄作品ならまずこれをお勧めする。
哀しきテロリストの自我の目覚めと自由への渇望。
①幕末は日本史の中でも最もテロリズムが横行しテロリストが暗躍した時代である。新撰組など正体はテロリスト集団である。本作は司馬遼太郎の原作を元とした土佐勤王党の有名なテロリスト岡田以蔵のお話。②司馬遼太郎は主人公を美化したりヒーローに仕立てる為に結構史実を湾曲する人なので、なるべく史実に忠実であって欲しい歴史好きとしては余り好きではない作家(大学の先輩だし、母方の里は奈良なんですけれどね)。③本作の岡田以蔵像やエピソードも史実からかなり離れていたり史実にないものも多い。ただ、これはドキュメンタリーではなく映画なので史実と混同さえしなければ、平均以上の出来の娯楽時代劇映画であるし、それで良いと思う。④最初は土佐勤王党のテロリストとして武市半平太の命令のまま人を斬り(殺し)まくっていたのに、殺し過ぎと煙たがれ重要任務からは外されるようになり、それでも命令に絶対服従と強要されるなかで、矛盾と疑問と孤独とを感じて一人の人間としての自我に目覚めていく岡田以蔵像なので、必然的に武市半平太が悪役となっている。テロリスト集団のボスというだけでなく、目的のためには協力者や仲間を平然と殺し、最後は戦争という手段で国家転覆を目論むヒトラーみたいな悪辣な人物造形になっているのがある意味スゴイ!⑤本作での、教育が無いため命令に盲従していたり功名心を押さえきれない一種子供のような一面があると共に、自我に目覚め内省し苦悶し絶望し悟っていく姿に感情移入できる岡田以蔵像を愛嬌たっぷりに演じて、勝新太郎はやはり並ではない俳優であったと思わせる。
権力に使い捨てられた不器用な男の哀れな悲しみを描いた良作
ソフト化されていない本作がアマプラで観られるとの情報に、急ぎ鑑賞。
いやぁ、武市半平太が悪(ワル)だわぁ。
以蔵を主役、武市を悪役に据えた脚本だから致し方無いけれども、後の歴史人物イメージに与えた影響は多大過ぎるんじゃないかな?
武市は潔癖で高潔だと思うので、非情なエゴイストとして描かれた下記のシーンは残念に思う。
原作では、牢にて以蔵の事を「知らぬ。以蔵ではない。」と否定したのは、武市ではなく山内容堂の再組織させた藩内閣の警吏だ。
この時、すでに武市一派は捕らえられ、凄まじい拷問に耐え続ける日々を送っている。
しかし、1人でも多くの同志を活かす為、誰も口を割らない。
容堂は武市一派を抹殺すべく、以蔵を手に入れたのだ。
しかし、以蔵には武市も藩も区別はつかない。武市達同様の恐ろしい拷問が加えられたが以蔵は藩憎しで吐かない。その代わりに凄まじい大声で情けなく泣き叫ぶ。
武市が毒を差し入れたのは、むしろ温情だったのだが、以蔵に理解出来る筈もない。
「飼い犬を利用し、支配しようと続ける主人に対する憎悪」が以蔵を貫いたのだろう。以蔵がすべてを暴露したのは映画の通りだ。
もっとも、史実では牢では「ただの脱藩者」として処理され、土佐に戻ってからは女子供でも耐える程度の拷問で口を割ったらしい。
以蔵の自白により真っ先に犠牲になったのは武市の身内。にも関わらず、以蔵毒殺を提案する仲間達を止めたのは武市であった。
ま、武市の弁護はこの辺にして、勝新の創り出した以蔵には非常に納得であった。
実在の以蔵の写真などから痩躯の印象が強かったが、司馬遼の文章にはこうもある。
「学問が無く、学塾に行くほどの頭脳もなかった」
「血に飢えた狼が噛み付くような下品(げぼん)な身動き」
「掛け声も品がない。獣が咆えているよう」
「髪の生え際が不揃いで、毛がちぢれており、目がくぼみ、眼裂が赤くただれている。やや猫背」
「無教養で言葉の使い方を知らない」
「泣きっぽく、不甲斐なく顔をくしゃくしゃにして泣き喚く」
「以蔵にとっては、武市も龍馬もどちらも「偉い人」だから、理に誤りがあるはずはない、と考えている。攘夷・開国の違いもわからぬ」
なるほど!勝新、ある意味、雰囲気ぴったりではないか!(笑)
外見の印象よりも、重要なのは中身。
野生的で涙脆くて人情家かつ愚鈍な以蔵であれば良いのだ。斯して、勝新オリジナル解釈の岡田以蔵が誕生したわけだが、実に人間味があって良いと思う。
裕次郎。まぁ、脚本でもう少し上手く龍馬を使えた気もするが、勝が食われても困るからあの程度でよいのかな。
そして三島!
私が物心ついた時には、すでに市ヶ谷事件後であった為、銀幕の中とは言え、そこに三島由紀夫が存在している姿は感慨深い。
カメラに見事な上腕二頭筋が映し出されるが、幼少期から虚弱体質だった三島がいつ肉体改造したのかな?と、思わず調べてしまった。30歳頃、「金閣」寺執筆の頃かららしい。
大手映画会社達の五社協定が崩壊し、映画スター達の独立プロダクション設立が相次いだ時期、勝プロ立ち上げて間もない頃に放たれた、渾身の作品の一つに間違いない。
権力闘争の中で使い捨てられた、暗殺しかできない男の、きわめて荒削りでむき出しな、おろかであればあるほど哀切深い悲しさが描かれている。
それはまた、長年尽くしてきた大映に対する勝新の心情。
豪快な一匹狼を装いながらも、組織と完全に切れる事は出来ない情けなさや惨めさを「以蔵」というキャラクターに投影した勝自身の物語でもあったのだ。
えげつない傑作
長年ずっと観たかった本作。たまたま当日になって新文芸坐のサイトを見てリバイバルを知り、やっと観ることができた。
未ソフト化なので期待のし過ぎは禁物だと思ったが全くの杞憂だった。また一つ邦画の超絶傑作に巡り会えた!
司馬遼太郎の短編「人斬り以蔵」を参考に橋本忍が脚本を担当。監督は五社英雄で主演を飾るのは勝新太郎。脇を固める仲代達矢に石原裕次郎。更には三島由紀夫の起用…これで傑作にならない訳がない。
喜怒哀楽どの表情も一々豪快な勝新。勝新にかかれば「人斬り以蔵」と恐れられていた岡田以蔵もこんなにも人間臭く愛嬌のある人物になるのか
裕次郎は爽やかで品があって余裕もある魅力的過ぎる坂本龍馬を好演
武市半平太は仲代達矢が演じているがナイスすぎるキャスティング。勝新がペコペコするほど凄みを利かせることができて尚且つ冷酷で狡猾な人物を演じることができるのはこの人以外考えられない
人斬り以蔵と同等に恐れられた「人斬り新兵衛」こと田中新兵衛を三島由紀夫。一流俳優の中にいても存在感はピカイチで、その迫力、特に切腹シーンは圧巻
この四人誰か一人でも欠けていたらここまで傑作にならなかった。
この作品を映画館で観れたことがとてつもなく幸せ。前から二列目のど真ん中の席に座り、浴びるように勝新を観ることができた。一列目に座ってる人はいなかったので、邪魔なものはなく、視界いっぱいに広がる世界を堪能できた。
こんな素晴らしい映画体験は、この先なかなかすることはできないだろう。
おみのが倍賞美津子だったと気づかなかった
型にハマらない剣さばきの岡田以蔵を勝新。
銃も持たずブーツも履いてない前髪のある坂本竜馬を裕次郎。
示現流の人斬り田中新兵衛をなんと三島由紀夫!
この人の筋肉が凄まじかった。そして未来を予言するかのような切腹!
剣劇で飛び散る真っ赤な血しぶき。
悪い顔した仲代達矢。
ちょっと長い。
勝新vs三島由紀夫の伝説的シーン
「首」の脚本を書いたひとによる脚本だと知った。
仲代達矢の武市と石原裕次郎の龍馬は、どうもイメージにあわない。
・・が、
倍賞美津子に甘える勝新以蔵がイイ。人斬り半兵衛演じる三島由紀夫の切腹シーンは公開翌年の市ヶ谷クーデターを予感させる。
勝新が三島半兵衛に抱きつき嗚咽するシーンと、
三島の悦に入った様な、自己陶酔させる様な切腹シーンは一見の価値有り。
以蔵が泣くシーンに流れてくる、慰めるような優しい曲も心地よい。
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