美女と液体人間のレビュー・感想・評価
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二谷友里恵のお母さん大活躍
でも東宝の看板女優がヤクザと同棲してちゃいけませんよ。意味もなく地下水道で下着姿にさせられるし。でもこの映画では一番重要な役割。美女は白川由美さんしか出てないし。
カーチェイス?以降のクライマックスは、昔の映画とは言えもう少し緊迫感が欲しかった。それにしても映画で地下水道見せられること多いね。映画監督のツボを刺激するんだろうか。火焔で焼き尽くすしかなかったんだろうが、よくあれで東京が大火災にならなかったものだと、それが本映画の一番の謎だ。
あとこれぐらい古い映画だと、街並みそのものが映画のセットみたいに見える。それが楽しみで最近昔の映画をよく見てます。
戦後の風俗史
「肉の蝋人形」とか「原子人間」とか昔のホラー映画は怖かった、そのトラウマもあり長じてもホラーが苦手になってしまった、本作もその一つである。撃たれる、切られるより溶かされるのは痛みの想像ができないだけに怖いし、下水は至る所にあり、身近なだけに怖さが倍加したのだろう。
観なおしてみると液体と言うよりゼリーかスライム状のアメーバ―、滲み寄って来るだけだから走って逃げられそう、今なら全然怖くないし、長じた分、疑うことも覚えたので博士が権威付けをしても鵜呑みにはしないのです。
アメーバ―なら怪獣ものより安上がりなので企画が通し易かったのだろうがゴジラ同様怪物を皆放射能のせいにするのも芸が無い。
日活のギャング映画もそうだったが当時の大人の社交場が進駐軍のお下がりのようなアメリカ文化の似非コピーに思えて悲しくなる。
白川さんは今観てもグローバルに通じる美人であることは疑いない、意味もなくスリップ姿にさせられて気の毒だが子供のお供についてきたお父さん連中の目の肥やしだったのだろう、必然性のないお色気サービスも興行主の魂胆か、戦後の日本の風俗史を見せられているようでもある。怪物より大川が炎で染まる光景は関東大震災や東京大空襲の悪夢にも見えて恐ろしい。
時代背景を考えると貶していけないのだろうが今観ればまごうことなきB級SFホラーなのだろう。
観ておく意味も意義もある重要な作品
正直つまらない
90分に満たないにも関わらず長く感じられて、見終えるには忍耐が求められた
1954年のゴジラの史上空前の大ヒットを受けて、怪獣もの路線とは別に、大掛かりな特撮が不要で比較的お手軽に製作可能な特撮映画として、同年に透明人間、翌年に獣人雪男が製作されている
本作はその怪人もの路線の第3作にあたる
本作の後にも、電送人間、ガス人間第一号と続く
透明人間は特撮が活かし易いし、H.G. ウェルズの古典で誰もがお馴染みの題材だから最初の作品に相応しい
以降の作品のモチーフは、透明人間からの連想かと思われる
何々人間という感じのブレーンストーミングで安易に企画されていったのだろう
けれども液体人間という映像は、ターミネーター2の液体金属のサイボーグが登場するまでは唯一の存在だったはずだと思う
前作の地球防衛軍で模索した大人が観たくなる特撮映画を目指した作品であるのは確か
より大人よりに振っている
大人の特撮とは何か?
シリアスな内容?
色っぽいシーン?
少なくとも本作はそう考えたようだ
シリアスな内容はどうか?
第五福竜丸被爆事件をモチーフに作られた映画はこれが3作目
ゴジラ、生きものの記録、本作
しかし取ってつけた感しかない
単に液体人間を登場させるための良いダシにされただけに過ぎない
ラストシーンの警句も良いこと言った振りだけだ
液体人間にさせられてしまった人間の悲惨とかを掘り下げようというような大人の鑑賞に耐える深みのある脚本にはまるでなってない
単なる化け物で焼き殺してしまえという乱暴なお話でしかない
海上を進む貨物船を特撮で撮る意味はまるでないし、クライマックスで下町が炎上する必然性もない
特撮で撮りたいだけのようにしか感じられない
一方、美女は白川由美でまことに東宝らしい美女で、これは合格
キャバレーでの歌唱シーンも美しく、半裸のステージ衣装だけでなく、下着シーンもあり、大人の求める映像になっている
元々企画の出発点であったであろう、アメリカの人気SF小説雑誌のアメージングストーリーズとかの表紙を飾る半裸の美女のイメージにかなり寄っている
これなら輸出の可能性も考えられなくもない
ともあれ、本作を含む怪人の路線はSFスリラー映画の始祖の一つであるのは間違いない
アメリカのテレビ映画トラワイトゾーンはこの翌年になる
もしかしたら影響を与えたのかも知れない
もちろんウルトラQ、怪奇大作戦に直線的に繋がっているのは一目見れば分かる話
本作が無ければこれらも生まれなかったかも知れないし、後の日米のSF 映画の隆盛の裾野を作り広げたといえるのではないだろうか?
その意味で観ておく意味も意義もある重要な作品
アダルトな雰囲気漂う特撮スリラー
変身人間シリーズ第1作。
DVDで2回目の鑑賞。
雨の日に人間が服だけを残して蒸発するという奇妙な事件が続発。そこにギャングによる麻薬の密売が絡んで来るという展開でした。不可解な現象に捜査陣は手を焼きますが、佐原健二扮する科学者の証言により、一連の犯行は放射能の影響で肉体が液状化した“液体人間”の仕業であることが判明! 東京中がパニックに見舞われる中、地下水道に追い込まれた液体人間を倒すため、一大作戦が決行されることに―。
誰が何と言おうと、タイトルが抜群に良い! 「美女と液体人間」ですよ…。アダルティーだし、怪奇な匂いがプンプンしました。昔の映画の題名はオシャレかつ、タイトルを見ただけで「その映画観たい!」と思わせる粋なものが多いように思います。本作もそのひとつ…。妖しさ満点!
物語は完全に大人向け。主な舞台はキャバレーですし、そこのダンサーたちの妖艶なダンスが画面を彩りました。物語の重要なカギを握る人物として、白川由美演じるキャバレーの歌手が登場しましたが、その危うげな美しさは怪物に狙われるのも納得というもの。古来より怪物に美女は付きものですねぇ…。
液体人間は神出鬼没。水中に紛れてしまえば追跡は不可能。その不気味さもさることながら、音も無く忍び寄り、標的を包み込んで殺害する描写は、円谷特撮の面目躍如といった名場面でした。標的が泡となって崩れ落ちていく怖さと言ったら…。
そんな液体人間の誕生の原因となったのが、太平洋で行われた水爆実験。冒頭、それに遭遇して被爆した漁船が登場しましたが(これも幽霊船のようでとても不気味)、これは1954年に発生した「第五福竜丸事件」をモデルにしているとのこと。
日本初の本格怪獣映画「ゴジラ」製作のきっかけとなったことでも知られる事件ですが、当時は発生から2年しか経過しておらず、放射能の脅威がまだ身近に感じられていた時期だったのではないかなぁ、と…。物語的な怪奇だけで無く、現実的な恐怖も内包されている作品だなと思いました。
【余談】
後の電送人間、中丸忠雄が刑事役で出演(笑)
※鑑賞記録
2020/06/22:Amazonプライム・ビデオ
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