美女と液体人間

劇場公開日:

解説

東宝の特殊撮影技術を駆使した怪奇活劇篇で、海上日出男の原作を、「地球防衛軍」のコンビ、木村武が脚色、本多猪四郎が監督、「花嫁三重奏」の小泉一が撮影した。特技監督は円谷英二。「花の慕情」の平田昭彦、「弥次喜多道中記」の白川由美、佐原健二、小沢栄太郎、田島義文らが出演。色彩はイーストマン・カラー。Perspecta Stereophonic Sound。

1958年製作/86分/日本
原題:The H-Man
配給:東宝
劇場公開日:1958年6月24日

ストーリー

小雨降る東京の下町で、不思議な事件が発生した。麻薬を盗みとった一人の男が、盗品はもとより身につけていた衣服一切を脱ぎ捨てて跡形もなく消え去ったのだ。その男は、麻薬密売をしているギャング三崎であることが判った。彼には、キャバレー「ホムラ」の人気歌手で千加子という女がいた。ある日千加子の前に、生物化学を専攻する政田という学者が現われた。彼は、三崎が水爆実験の前後、海上にいたかどうかをたずねるのである。また、三崎が隠匿したと思われる麻薬の行方を追求するギャング団も千加子を狙っていた。その一人西山は、彼女のアパートに乗りこみ脅迫したが、彼も突如現われた人間状の形をした液体に溶かされ姿を消してしまった。千加子からその目撃した一瞬を聞いた政田は愕然とした。そして富永捜査一課長をある病院へ案内した。そこのべッドには、原爆症にやつれた二人の男が横たわっていた。彼らは水爆実験当時、南方海上で行方不明を伝えられた第二竜神丸とすれちがい、仲間とその船に乗り移ったが、人間の形をした生物のような液体に次々と倒され、二人だけようやく逃げ帰ったというのだ。奇怪な事件はこの“液体人間”なるものの仕業なのだ。捜査陣と科学者らは、特別火焔放射器で撲滅を企てた。その頃、政田の使いと偽って千加子を連れ出した麻薬団一味の内田は、麻薬が陰匿してあるマンホールへ進んだ。麻薬と千加子をモノにしようと思ってである。一足ちがいとなった政田は現場へ急いだ。内田は下水道に突如現われた液体人間に倒された。千加子も危い--。その時到着した科学陣は、ガソリンを下水道に流し特殊火焔放射器で液体人間を倒し、危機を救った。東京に現われた液体人間は絶滅した。が、地球が死の灰に蔽われ人類が全滅した時、液体人間が地球を支配し彼らの文明を築くかも知れない--。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.5二谷友里恵のお母さん大活躍

2021年12月16日
スマートフォンから投稿
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tatechan

2.0戦後の風俗史

2020年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD
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odeonza

3.0観ておく意味も意義もある重要な作品

2019年12月7日
Androidアプリから投稿

正直つまらない
90分に満たないにも関わらず長く感じられて、見終えるには忍耐が求められた

1954年のゴジラの史上空前の大ヒットを受けて、怪獣もの路線とは別に、大掛かりな特撮が不要で比較的お手軽に製作可能な特撮映画として、同年に透明人間、翌年に獣人雪男が製作されている
本作はその怪人もの路線の第3作にあたる
本作の後にも、電送人間、ガス人間第一号と続く

透明人間は特撮が活かし易いし、H.G. ウェルズの古典で誰もがお馴染みの題材だから最初の作品に相応しい
以降の作品のモチーフは、透明人間からの連想かと思われる
何々人間という感じのブレーンストーミングで安易に企画されていったのだろう

けれども液体人間という映像は、ターミネーター2の液体金属のサイボーグが登場するまでは唯一の存在だったはずだと思う

前作の地球防衛軍で模索した大人が観たくなる特撮映画を目指した作品であるのは確か
より大人よりに振っている

大人の特撮とは何か?
シリアスな内容?
色っぽいシーン?
少なくとも本作はそう考えたようだ

シリアスな内容はどうか?
第五福竜丸被爆事件をモチーフに作られた映画はこれが3作目
ゴジラ、生きものの記録、本作
しかし取ってつけた感しかない
単に液体人間を登場させるための良いダシにされただけに過ぎない
ラストシーンの警句も良いこと言った振りだけだ

液体人間にさせられてしまった人間の悲惨とかを掘り下げようというような大人の鑑賞に耐える深みのある脚本にはまるでなってない
単なる化け物で焼き殺してしまえという乱暴なお話でしかない

海上を進む貨物船を特撮で撮る意味はまるでないし、クライマックスで下町が炎上する必然性もない
特撮で撮りたいだけのようにしか感じられない

一方、美女は白川由美でまことに東宝らしい美女で、これは合格
キャバレーでの歌唱シーンも美しく、半裸のステージ衣装だけでなく、下着シーンもあり、大人の求める映像になっている

元々企画の出発点であったであろう、アメリカの人気SF小説雑誌のアメージングストーリーズとかの表紙を飾る半裸の美女のイメージにかなり寄っている
これなら輸出の可能性も考えられなくもない

ともあれ、本作を含む怪人の路線はSFスリラー映画の始祖の一つであるのは間違いない
アメリカのテレビ映画トラワイトゾーンはこの翌年になる
もしかしたら影響を与えたのかも知れない
もちろんウルトラQ、怪奇大作戦に直線的に繋がっているのは一目見れば分かる話

本作が無ければこれらも生まれなかったかも知れないし、後の日米のSF 映画の隆盛の裾野を作り広げたといえるのではないだろうか?

その意味で観ておく意味も意義もある重要な作品

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あき240

3.5アダルトな雰囲気漂う特撮スリラー

2019年5月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

悲しい

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しゅうへい
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