劇場公開日 1949年9月19日

晩春のレビュー・感想・評価

全43件中、21~40件目を表示

4.0父娘

2020年12月14日
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小津安二郎に、裕福な人たちが出てくる映画──という印象をけっこう強くもっている。
長屋の映画もあったが、あつかうひとたちは、裕福が多いのではないかと思う。

いちばんゆうめいな東京物語にしても、貧乏ってわけじゃないが、やや庶民かと思う。
長男は医者とはいえ町医者である。長女は美容院をやっている。みんな忙しくて、葬儀が終わったらとっとと東京へ帰ってしまう。次男は戦死しており、紀子はお隣にお酒を借りに行く、質素な未亡人だった。

晩春の父娘はもっと裕福である。
衣食足りて礼節を知る、と言うが、人間のもんだいを描くために、最低のことは満たしておく必要があったのだろうと思われる。

中産階級になって、はじめて家族の諸問題は見える。それより貧困ならば、もっと別の悲哀になってしまう。だから、小津安二郎の人たちは裕福なのだろう。と思う。カラーになると裕福がさらにアップした。

わたしは祖父や父から、あるいは昔の人たちから、戦後が貧乏とイコールな印象しか持っていない。だけどその感じが小津安二郎にはない。自身が復員して間もないのだが、映画には戦争の気配を介入させなかった。

晩春は1949年で、大局的にみると、戦後まっただなか、社会が混乱しているなか、娘が嫁に行く話なんて、ゆうちょうだなあという批判が、あったという。

一方で、戦争はおわったわけだし、戦争から離れて、家族の問題に向き合うのはさすがだという称賛も、あったという。

紀子三部作と言われるものの最初で、紀子は父と鎌倉に住んでいる。三部作といえども繋がっているわけじゃなく、それぞれ別個の話だが、原節子が紀子という役名で、三回やってるから紀子三部作だそうだ。

よくしらないが、鎌倉に代々住んでいる──なんてひとは裕福であろうと思う。

「ここ海近いのかい?」
「歩いて14、5分かな」
「ああいいとこですね、こっちかい海?」
「いやあこっちだ」
「ふうん」
「八幡さまこっちだね?」
「いやあこっちだ」
「東京はどっちだい?」
「東京はこっちだよ」
「すると東はこっちだね?」
「いやあ東はこっちだよ」
「ふうん、昔からかい?」
「ああ、そうだよ」
<二人笑い>
「こりゃあ頼朝公が幕府をひらく訳ですよ。要害堅固の地だよ」
父役の笠智衆と叔父役の三島雅夫の会話だった。

八幡さまとは鶴岡八幡宮であろう。家に、縁側があり、庭がある。そこが涼しげに開かれている。歩いて14、5分ならば、ときどき潮風=海の香りもはこんでくるだろう。

主人が着物をきて居間で来訪した叔父をもてなしている。
女たちはかしましいが、男女の地位には封建制がある。
父娘だって、いまから考えりゃ堅苦しい。
父が叔父と相酌しているんだが紀子が燗をつけたのを「すこしぬるいな」「あら、じゃあ」「いやいい、あとの熱くして」なんて言う。いまの娘ならおやじ自分で燗つけろよと言うだろう。

嫁入りのまえに、父娘と叔父夫婦で、京都へ旅行する。
旅先で父娘が床を並べて寝る。
カメラが部屋の床の間の壺をあんがい長くとらえる。
そのシーンが論争をもたらした。とwikiに書いてあった。
壺は陰部をあらわし、はっきり父娘のインセストの映画と言ってる論者もいるようだ。

そんな風にも読めるが、それらはもちろん、うがちすぎである。小津安二郎がインセストの映画を撮ろうとしたはずがない。
息子が母にあこがれる、娘が父にあこがれる、それは普遍なことだ。

外国の論者は父娘が床を並べて寝る旅館のシステムに奇異を感じたのかもしれない。
むろん、いまの父娘は、そんなことはしない。

晩春は東京物語につぐ人気や知名度がある。
海外の研究者も多い。
そして壺のカットは、メタファーや寓意を、論争させるほどに、やや長かった。

が、晩春は紀子の婚前ブルーと、残される父の寂しさを描いた映画である。
それらは、宇宙人でもわかるほどに、丁寧に描かれているが、個人的には東京物語に比べると通一遍な感慨しかない。
いんしょうに残ったのは上述した父と叔父の会話と、彫像のようにきれいな月丘夢路だった。

そもそもいまわれわれが小津安二郎をみて、どうこうというのはない。
ただこれらの普遍な映画世界が価値の高いものだということは百姓のわたしにもわかる。(気がする。)

よく思うのだが外国人にsunny smileと評される原節子の笑顔は、個人的な見地だが、とても無理笑いであると、かんじる。

こんだけ無理な笑いもないだろう──ってくらいな無理笑いなひとだと思う。

なんか見ていて痛々しいのである。このひとが笑っているだけで、哀しくなる。

原節子が引退した理由は、演技をすこしも楽しんでおらず──ただわたしは家族をサポートするために、ながなが我慢して銀幕のスターをやってきたんだ──もうやめさしてください。というものだったそうだ。

1960年代に40代なかばでやめ、そこから半世紀経った2015年に95歳で亡くなるまでインタビューも写真も拒否し世界から永久に背をむけつづけた。

そして、そんな隠遁生活をおくるであろうっていう気配は、晩春にも麦秋にも東京物語にもある。なにしろ笑っているだけで痛々しいんだから、無理強いしている気がするんだから。
終の住処は晩春とおなじ鎌倉だった。
きっと楽しく豊かな孤独を過ごしたのだろうと、希望的観測している。

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津次郎

5.0流石小津さん

2020年12月11日
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素晴らしい。
期待以上☆彡

色々と自分の人生を振り返ったり、
今の、年頃の息子の事が重なり

涙、涙🥲

もっと早くに見たかった。

私の結婚する頃に。。。。。

ユーモアもあり杉村春子さん
原節子さん綺麗
笠さんのお父さんぶり素敵。

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Billy

4.0ザ松竹という温かみ

2020年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

父の再婚候補を見る原節子こと紀子の表情の険しさに痛く感動。一瞬で切り替え、見事なものだ。紀子の結婚承諾を喜ぶ叔母杉村春子の全身表現も流石。

結婚するという嘘をついて大事な娘を嫁にやる作戦で、それを娘の友人に打ち明ける脚本は、まさにその後綿々と受け継がれる松竹の伝統芸のルーツということか。大きな温かみを感じさせた。

結婚生活、そして幸せはこれから夫婦で作っていくものと娘を諭す、父親はとても良いが、今だとこのセリフは真っ直ぐには難しいか、でも時を超える真理ではあると思った。

最初、退屈しそうであったが、結局最後までそれはなく、麦秋や東京物語と異なり、後味も心地よかった。ただ、謎解きの面白みはあまり無しではある。

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Kazu Ann

4.0幸せは築き上げるもの

2020年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

父が心配だから結婚に気乗りしないという心理の底には、父との関係を維持していたい、子供のままでいたいという気持ちがあるのではないかと思った。

結婚=幸せではない。
結婚をして親子とは違う夫婦という関係を築いていくこと、幸せというものも築き上げるもの。
結婚は、人間社会の通過儀礼のようのもの。
京都での父と紀子の会話は考えさせられた。

結婚や幸せ、人と人との関係性の構築…など現代の考え方と比較して考えてしまう作品だった。
みる人の年齢によっても感じ方が異なると思う。

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ちゅーる

5.0素晴らしい余韻が残る、日本の最良の部分を残すことが同時に世界的に普遍性のある物語にまで昇華している

2019年10月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1949年昭和24年
同年公開の黒澤明監督の野良犬、前年公開の酔いどれ天使に登場する東京とは全く違う世界が描かれています
左翼からは当時の困窮混迷した社会情勢に背を向けた鼻持ちならない極めてプチブルジョワジー的な映画だと批判されもしたようです

しかしその批判は当たらないと思います
小津監督の視線は日本の現状をしっかりと見つめており、だからこそこのような日本の最良の社会の在り方を残そうと懸命に記録しているとも言えると思うのです

序盤の横須賀線の走行シーンを長々と挿入しているのは何故でしょうか?
馴染みのある横須賀線カラーではない、昔の茶色い塗装の電車が遠景で映ります
一両だけ白い帯が横にはいった車輌が列車の真ん中にあります
グリーン車ではありません
米軍専用車輌なのです

紀子と服部が自転車で葉山から茅ヶ崎まで海岸を走るシーンでは道路標識は英語でマイル表記なのです

つまり監督は占領下の日本の行く末
その社会の構造、人間の機微
そういった日本の本当に美しいものが壊されてはなるものか
そのような強い意志をもって本作を撮影しているのだと思うのです

冒頭に茶会のシーンを置くなどだけでなく、本作のテーマそのものや、登場人物達のものの捉え方、行動、立ち振舞い
そういったものを飲み込まれてはならないものとして映画に刻みつけようとしているのだと思うのです

晩春という題名
確かに冒頭の北鎌倉は桜も終わった明るい陽光に満ち溢れています
服部が紀子を誘った東京劇場のバイオリンの演奏会は4月28日開催でした
服部が婚約者が在りながら自分を誘ったことになんとも不潔だと紀子が怖い顔で歩くシーンはその前の切れない沢庵問答の時の笑顔との落差が効いています
能の演目は杜若(かきつばた)
つまり初夏の花です
紀子が途中で三輪秋子に気付いてからみるみる不機嫌になるシーンは心に残りました
終盤の京都の清水寺には修学旅行とおぼしき女学生達が冬服で散策しています
紀子は半袖ですが、周吉はカーディガンを着ています
つまり父娘の京都旅行は初秋頃です
ラストシーンでは父周吉が独りリンゴの皮をむきますから、紀子の結婚式は晩秋から初冬だろうと思われます

では何故本作は晩春という題名なのでしょうか?
それは劇中の季節を指しているのではなく、紀子の事を指しているのだと思います
遅い春がようやく彼女にも訪れたという意味なのだと思います

上野の料理屋の多喜川の主人が西片町にお住まいの頃云々と話ます
その地名は東大前と本郷の間にありますから、周吉は東大の教授なのでしょう

京都の旅館で明日帰るという夜
父娘は布団を並べて眠ります
その時床の間の壺が意味ありげに長く撮されます

色々な解釈がされているようです
ユング的には壺は女性を象徴しています
その空洞の内部に全てを呑み込み、そして産み出す存在なのです
つまりエディプスコンプレックスを説明しています

果たして翌朝、彼女は結婚したくない、周吉といつまでも暮らしていたいと言い出すのです
この時初めて周吉は雄弁に彼女に話しかけるのです
今までになかったことです
こんなことはできない人物です
なのにこんなにも話すのです
それがラストシーンとの対比を強めているとおもいます
周吉は独りの家に戻り暗い台所でリンゴの皮をナイフで剥きはじめます
そんな事は紀子がしてくれることで、危なっかしい手つきです
彼は慟哭はしません
周吉とはそんな男ではないのです
これで良かったのだと言い聞かせているのです

結婚式に向かうシーンで杉村春子がバックを二つもって退場しようとしてまた戻って忘れ物がないかぐるりと部屋を一周してから階段を下りていくのです
素晴らしい小技で参りました

エンドマークは鎌倉の夜の海が写されます
寄せては返す波
それははるか昔から同じ光景であり
周吉と紀子のような嫁に行かせる話はその波のように太古から繰り返し繰り返し同じことがあったことなのです

素晴らしい余韻が残る、日本の最良の部分を残すことが同時に世界的に普遍性のある物語にまで昇華しています

本作の12年後小津監督の遺作秋刀魚の味が撮影されます
ほとんど本作のセルフリメイクと言える内容です
本作をより整理して父が嫁に行かせる物語により焦点を絞りこんでいます
監督の本作への再挑戦だと思います

是非合わせてご覧下さい

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あき240

4.5とても美しくて切ない。日本の美学

2019年8月10日
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鑑賞方法:DVD/BD
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MOTTO

4.0タイトルなし

2019年5月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館、TV地上波

①あの美しい原節子が父と女の人とが一緒にいるところを見て夜叉なような表情になる。何気ないシーンが多いこの映画で、あの1シーンを演出しただけでも小津安二郎は凄い。

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もーさん

4.5・前半は全体的に穏やかな日常だけど、紀子の感情に不安定さがちょいち...

2019年2月27日
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・前半は全体的に穏やかな日常だけど、紀子の感情に不安定さがちょいちょい出てくる
・本音をぶつけた時に少し泣く
・話が大きく動いてから最後にかけてボロ泣き

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小鳩組

4.0小津のミューズ、原節子が放つ魅力!

2018年6月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

難しい

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しゅうへい

4.0さあ観念しろッッ!

2018年5月4日
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鑑賞方法:映画館

怖い

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kkmx

4.0戦後まもなくの鎌倉の風景が美しい。当時の文化や思想が随所に見られま...

2017年12月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

戦後まもなくの鎌倉の風景が美しい。当時の文化や思想が随所に見られます。映画は歴史遺産ですね。
定番の嫁に行くやら行かぬやらの話。本作が始まりなのだとか。適齢期になれば女は嫁に行かねばならぬ、当時の文化ですね、いやこれは今も色濃く残っている気がします。
嫁に行くより父といたい娘、しかしそれを許さぬ文化。父の気持ちも複雑です。

見どころ
・嫁入りが決まっての親子最後の旅、娘がコクリます。どきどきです。
・ラストの父。結局お前もか。
見ようによってはヤバイ映画。壺が映るシーンに性的な論争があるようです。?。

特に大きな事件が起こるわけでもないのに見入ってしまうのは『東京物語』と同じですね。不思議な魔力です。これで紀子三部作、二作制覇。『麦秋』が楽しみです。

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はむひろみ

5.0揺れる気持ちの後で

2017年9月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

知的

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Takehiro

3.0これぞ…

2016年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

これでとうとう もう見尽くした…小津
なかでも美しさ際だつ作品だったような

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mamagamasako

3.5●いつも笠智衆はひとりになるな。

2016年5月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

父と娘の物語。
娘を嫁に行かせたい。
というより、行かせないと、自分が死んだ後、困るだろうと。
娘はそれでも父と一緒にいたいという。

笠智衆の淡々とした語り口。
原節子の喜怒哀楽。
杉村春子のストレートさ。
そして、月丘夢路がなんとも魅力的だ。

蛇足だが、原節子と月丘夢路の掛け合いは、演出なのか時代なのか、わからなかった。
割とズケズケした物言いなのだが、そこはかとなく上品でもあり。

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うり坊033

3.0お父さんは58歳であれだけ老けていて先行きも長くないのか

2016年5月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Cape God

2.5何本も小津作品を観ているとどれも同じに見えてくる。ストーリーと時代...

2016年4月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

何本も小津作品を観ているとどれも同じに見えてくる。ストーリーと時代に合わない原節子の濃い顔立ちに違和感を感じてしまった。笠智衆と親子のばすがまったく似ておらずかけ離れている。何気ないカットにも物語るものがあり、映像は美しい。

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tsumumiki

3.5父親の立場でもないのに共感…

2016年4月5日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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とば

3.5「麦秋」と併せて見る

2016年3月4日
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泣ける

知的

幸せ

失われつつある日本人の美質を映像として再確認できる作品。小津の表現したかったことがこの年になってようやく理解できるようになった。原節子の「したたる」ような魅力というか色気も魅力である。笠智衆の妙なしつこさが妙にシュール。「男はつらいよ」が小津映画の廉価版的というかより砕けた表現で描いたという位置付けの作品なんだろうなと改めて感じた。

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k.mori

2.0哀悼と発見

2015年11月29日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

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佐分 利信