「われらが健さん‼️」遙かなる山の呼び声 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
われらが健さん‼️
アウトロー的な強さとカッコ良さ、ストイックで情に厚く、不器用で誠実という、日本人が "健さん" に抱くイメージを確立させたのは、私は山田洋次監督だと思ってます‼️超名作「幸福の黄色いハンカチ」と今作「遙かなる山の呼び声」のキャラクターこそ、"健さん" そのものでしょう‼️北海道中標津。一人息子・武志を育てながら、亡夫が残した牧場を営む民子。激しい雨が降る冬の夜、一夜の宿を求めて一人の男が訪ねてくる。男は納屋に泊まり、牛のお産を手伝い、翌朝出て行く。そして夏、男が再び訪れ、働かせてほしいと民子に頼んできた。しかし、田島耕作と名乗る男は、過去を一切語ろうとしない・・・‼️「北国の春は遅い」「長い冬が去り、春がゆき、短い夏がくる」「やがて秋」「そして冬」と、北海道の厳しい大自然と四季の移り変わりを象徴する字幕が挿入される‼️そしてタイトル‼️名作西部劇「シェーン」の有名な主題曲と同じタイトル‼️物語も「シェーン」を現代の北海道の農村に舞台を移した作品とも言えます‼️軸となるのは慎重に進む耕作と民子の恋‼️これに加えて耕作への武志の憧れ‼️武田鉄矢扮するキャラの、従弟である民子への思い‼️鈴木瑞穂さん扮する耕作の兄の、弟への思い‼️そして極めつけはハナ肇さん‼️最初は民子を我が物にしようとするイヤな奴が、耕作の男気に惚れてからは、耕作と民子の幸せを誰よりも願うナイスガイへ大変身‼️この素晴らしい物語の最重要キャラの一人‼️様々な愛の形に胸が震わされます‼️そして「シェーン」と同じく、武志が耕作の乗馬ぶりや腕っぷしの強さに見とれるシーンもホントに微笑ましい‼️民子が雨の中、耕作へ「行かないで」と自らの思いを爆発させるシーン‼️そしてラスト、刑務所へ向かう列車の中、牧場を手放し、町で働きながら自分を待つという民子の思いを聞き、涙を流す耕作‼️そんな耕作へ民子が手渡すのは黄色いハンカチ‼️締めも完璧‼️シェーンは何処へともなく去っていったけど、4年後、耕作は戻ってきて民子や武志と幸せに暮らすんでしょう‼️ホントに素晴らしい幕切れ‼️これまた山田洋次監督の優しさが画面の隅々にまで行き届いた名作ですね‼️是非、健さんには山田洋次監督とのコンビであと数作撮って欲しかったなぁ・・・‼️
