「ラストシーンは偶然か、必然か、大いに気になる」遙かなる山の呼び声 悲しみの青春さんの映画レビュー(感想・評価)
ラストシーンは偶然か、必然か、大いに気になる
クリックして本文を読む
高倉健演ずる男の刑が確定し、網走刑務所へ護送されることとなった男の乗った列車は、終点の一つ手前の駅に停車する。発車ベルが鳴って発車寸前に、窓越しにハナ肇演じる虻田と男の目が合うのだが、これは、虻田がたまたま見つけたのか、この列車に乗っていることを知って会いにきたのか。
前者だとすると、クライマックスを盛り上げるための御都合主義の辻褄合わせに見えて不自然である。映像では、虻田がホームを速足で歩きながら車内を伺い続けて探し当てたという風にも見える。とすると、虻田は、男がこの列車に乗っているという情報をどのようにして入手したのかという疑問が生じる。男の弁護士から、裁判が終わって刑務所に送られる段取りであることを聞きつけたのであろうか。護送の日時までは分からないだろうから、当時、札幌から網走まで直行する唯一のこの列車にあたりをつけて、毎日駅まで通ったのであろうか。それなら、それも感動を呼ぶエピソードになるのだが。
Yahoo!知恵袋にこの疑問を投稿して教えを乞おうとしたが、納得のいく回答はなかったので、改めて問題提起をするものである。作品の評価を決める重大要素に着眼したと自負しているのだが、こんなことに拘る私は変人であろうか。
コメントする