花嫁募集中
劇場公開日:1956年7月22日
解説
雑誌“明星”に連載中であり、又ラジオ東京他三十四局で連続放送されている三木鮎郎の原作をミュージ力ル・ドラマの形式に依って、華かで明るい喜劇としたもの。脚色は監督の野村芳太郎と「次男坊故郷へ行く」の光畑碩郎の共同。「次男坊故郷へ行く」についで野村芳太郎が監督した。撮影はコンビの井上晴二。主な出演者は「森繁よ何処へ行く」の森繁久彌が松竹初出演。「伝七捕物帖 女狐駕篭」の草笛光子、「青春の音」の佐田啓二、「女の足あと」の有馬稲子、「青い夜霧の港町」の船山裕二、その他宮城千賀子、望月優子、関千恵子、新人空伸子など。
1956年製作/105分/日本
劇場公開日:1956年7月22日
ストーリー
アメリカで成功した九州男子川本金太郎は妻亡き後、男手一つで育てた愛娘エミーこと絵美子を伴い、三十年ぶりに再婚を決意、懐しの日本に戻った。彼は親戚のTVプロデューサー牧直樹と協力、銀座から花嫁探しを始めたが、オカマやマンボスタイルの洪水にオドロキの連続。元子爵松平千恵子令夫人に眼を止め、後を追ったが痴漢の疑いで警察へ。一方牧は恋人であるTVスターの卵並木みどりや楽師の細田一平。ミキサー助手小野映子達と夢のTVショウを計画していたが、仲々に実現しない。だが、その中“私の花嫁募集”という珍番組が金太郎のスポンサーで開始され、彼のホテルは花嫁候補の長蛇の列に取巻かれる。金太郎は花嫁審査中、たまたま先頃の松平令夫人や令息政広君に会い、エミーの計らいで令夫人とのデートが始る。他方エミーは夢のショウ実現不可能にクサる牧を励ます一方、政広ともデートを重ねた。ある夜、川本氏や松平母子共々ナイトクラブに招かれた牧は、政広のキザな態度にムクれて外に出た。その後をエミーが追う。そして牧は月夜の公園で恋人のみどりとエミーを錯覚し接吻しかけて平手打ちを食う。同じ頃金太郎も令夫人に接吻しかけてピシャリ。意気消沈した金太郎は空路郷里へ戻ろうとして間違えて北海道へ着いてしまうがそこで計らずも三十年前の恋人大原ちかと娘照子にめぐり逢う。牧に愛情を寄せるエミーのため、金太郎がスポンサーとなり、夢のショウは実現に至る。自身出演にハリキるエミーは、ふとしたことで牧とみどりの仲を知り、出演を断念して金太郎とアメリカへ戻ることになった。だがエミーの手でおちかさんと再会した金太郎はお互に結婚を誓い機上の人となる。その頃、ショウを指図する牧の手に一通の電報が渡された。曰く「ショウ成功を祝う、バカタレ!」……。