八甲田山のレビュー・感想・評価
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歴史に残る名作
三国連太郎演じる少佐に押し切られる指揮官の北大路欣也。
もう片方の隊は風通しがよく、高倉健の指揮官は存分に働く。
組織論に自然の猛威も加わって、悲劇へと突き進んでいく兵隊たち。
日本映画史上ベスト10に入る傑作映画です。
三国連太郎の悪役ぶりが素晴らしい。
ちなみに指揮権を巡ってのトラブルはあくまで映画上の脚色で
実際の遭難事件はそんなことはぜんぜんなかったようです。
史実に沿った「ドキュメンタリー八甲田山」という映画もあるので
セットで見ると事件への知識が深まります。
想像を絶する自然の猛威と、映像の力
日露戦争迫る明治35年、ロシア軍との極寒の地での戦いに備え、冬の八甲田山で演習を行う弘前・青森の両連隊。しかし、冬の八甲田山は想像を絶するものだった…。
実際にあった“八甲田雪中行軍遭難事件”を映画化した、1977年の超大作。
210名の内、199名が犠牲に。
中には、立ったまま凍死した者もいたという。
何と言っても、映像に目を奪われる。
冬の八甲田山の猛吹雪。
今年の2月に僕自身も大雪を体験したが、とてもとてもそんなレベルではない。
視界を遮り、体力を奪い、刺すような寒さ、神経も精神も麻痺し気が狂ってしまうほど。
撮影時、凍傷やあまりの過酷な撮影に逃げ出した者も。
両連隊は命運を分けた。
弘前の小連隊は案内人に協力を頼み、自然との折り合いをつけた。
青森の大連隊は案内人を拒み、自然を甘く見ていた。
本作のカメラマン・木村大作は後の監督デビュー作「劍岳 点の記」で、自然とそれに挑む人々の姿を格調高く描いていたが、本作で描かれているのは、自然の猛威。
人は自然を愛する。だが時として、自然は人に牙を剥く。その前に、人は成す術も無い…。
それらを壮大なスケールの迫真の映像の中に捉えた。
邦画史上に残る映像の力。
豪華なキャストと超一流のスタッフが集った、紛れもない力作!
果たして責任はどこに?
総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 75
音楽: 65
今回の雪中行軍は、元はと言えば上官の思いつきなのだろうが、ロシアの南下に対する対応という、彼には彼の立場としての意見がある。だが準備不足や冬山の恐ろしさを理解していない点は否めない。現場の指揮官は上官の命令には従わなければならないが、どこまで危険を冒し、どこで勇気ある撤退の決断をしなければならないのか。果たしてこの訓練、どこに責任があるのだろうかと思った。
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