「やたら解像度の高いキャラクターの人物像」PERFECT BLUE パーフェクトブルー ぱいらさんの映画レビュー(感想・評価)
やたら解像度の高いキャラクターの人物像
この作品に初めて出会ったのは高校生の頃だろうか。当時、制限指定がある、という理由でこの作品のDVDを借りてワクワクしながらこの映画の鑑賞に臨んだが正直意味が分からなかった。そりゃそうだ、働いてもなければ推し活もしてない、登場人物の誰にも肩入れ出来ないのだもの。
幾つか年月が経ってそれまで何度か鑑賞したが、そして今回初めて劇場で見る機会が得られた。
今回見て思ったことは、まぁ予算そんな貰えてないよね。というか楽曲などに割いた部分多いよね。という所。
お陰か歌が凄く良い。今回鑑賞してはじめて抱いた感想だ。
それもそのはず、まともに見れば楽曲の善し悪しなんか図る暇ない。それくらいにモブを含めた登場人物達のリアリティが凄まじい。人物像含めてだ。特にオタク達。そりゃ美麻も怖がるよ。クオリティ高過ぎて最早実写である。そして実写化があまりに不向きな映画でもある。作品の曇り空のようなどんよりとした雰囲気と、キャラクターたちのある種の汚さという画そのものをカメラで捉えようにも恐らく何かしらで綺麗になってしまうのが容易に想像がつく。
この作品の真髄は、愛している人の、汚くて見たくない部分を見てしまったが故に怒る感情の暴走、そして感染。
インターネット黎明期から人の誘導を巧みに熟す今作のヴィランでたるルミのやり方は現代にも通ずるものがある。
そして、ルミというヴィラン。あまりにもリアル過ぎる。この人は引退したアイドルだったが、作中の時系列ではその美貌は見る影もなく、希望は自分がマネジメント担当しているアイドルのみ。仕事での関係性の人物に対してここまでするかな?とか、やたら距離近かったりピカチュウ張りに主人公にべったりだったのも伏線。
マジで本当に悔しかったんだろうな。自分にとっての写鏡で、子供のように可愛かったんだろうな、あのようなシーンの連発で溜め込みすぎたんだろうな、と今回の鑑賞で少しばかり同情できる。
オチはなんとかギリ耐えハッピーエンド………だが、美麻も美麻でルミに憧れており、最後の台詞の「私は本物だよ」の意味が、作中の劇中劇である「ダブル・バインド」にかかってる気がしなくもない。真っ当に考えれば本当の自分を取り戻せたよ、という意味なのだろうが。
このご時世色んなものに推し活されている方が多い中、色んな事件やトラブルがが現実にも、そして現代にも色んな形で起こっていると考えると、先駆者的な意味合いを持つ作品と言えなくもない。
(まぁ一番怖いのはルミ役の方のとある作品での降板騒動とその予後だが
