「【ストーリー本線を追うのに必死になる作品】」PERFECT BLUE パーフェクトブルー abuさんの映画レビュー(感想・評価)
【ストーリー本線を追うのに必死になる作品】
初見では、主人公の“どこまでが現実でどこからが幻想なのか”が非常に掴みにくい。視点が揺れ続けるため、観客は常に不安定な立ち位置に置かれ、正しい/不安/幻想が行き来する。その混乱そのものが作品の構造なのだろう。
1998年の作品とは思えないほど映像表現は鮮烈で、いま観ても古さを感じない。
アイドルという“偶像”が主体性を奪い、主人公自身が誰なのかさえ曖昧になっていく——そんな不安を最後まで抱え続ける映画だった。
理解するためには繰り返し観る必要があるかもしれないが、
この“落ち着かなさ”こそが作品の魅力だと思う。素晴らしい体験だった。
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