眠狂四郎魔性剣
劇場公開日:1965年5月1日
解説
柴田錬三郎の原作を「眠狂四郎炎情剣」の星川清司が脚色「座頭市関所破り」の安田公義が監督した「眼狂四郎シリーズ」第六作目。撮影もコンビの竹村康和。
1965年製作/75分/日本
配給:大映
劇場公開日:1965年5月1日
ストーリー
武家育ちの娘・佐絵は、狂四郎の辱かしめをうけて自殺した。翌日、狂四郎のもとに、大工の娘・お糸が佐絵の遺書と共に、その子鶴松を連れてきた。鶴松は、岩代藩の城主と、そのころ御殿女中であった佐絵との間にできた隠し子で、城主は一度は邪魔者扱いにして追放したものの世継ぎの出来ぬ今は、力づくで連れ戻そうとしていた。狂四郎は、お家のためには、幼い子供の将来をふみにじる武士道に激しい、いきどおりを覚えた。そんな狂四郎は、以前ふとしたことから斬りすてた伴蔵の妹おりんにつきまとわれていた。一方岩代藩の江戸家老・菊村外記は、そんな狂四郎の動勢を察して、いちはやく鶴松を捕え、岩代藩随一の使い手・赤石群兵衛を狂四郎にさしむけた。また狂四郎を亡きものにしようと殺意に燃えるおりんは、蛇使いの女・お艶や比丘尼の青華院に色仕掛けで狂四郎を誘い殺そうとしたが果せず、爆薬を狂四郎の持つ提灯に仕掛けた。が寸前、狂四郎はこれを見破った。一方、狂四郎より一足早く城に辿りついた鶴松は、老臣の娘綾路の手引きで町はずれの五重の塔に身を潜めた。しかしこれを知った岩代藩の追手に綾路は斬られ、ちょうど通りかかった狂四郎に鶴松を託した。が、そんな狂四郎に、おりんの知せでかけつけた岩代藩の刺客が、人質としたお艶を先頭にしてとりかこんだ。さすがの狂四郎もお艶に刃を向けることが出来ず剣を捨てた。だが危機一髪、鶴松は刺客の手をかいくぐり剣を狂四郎に手渡した。剣をとりもどした狂四郎必殺の円月殺法がうなり、群兵衛をはじめとする刺客は地にはった。すべてを終えた狂四郎は鶴松に、武士の悲しさを説き、また一人どこへともない旅にでていった。