眠狂四郎 勝負のレビュー・感想・評価
全7件を表示
実写映画+アニメ映画の役割
私見だが、眠狂四郎、座頭市など
人気の昭和時代劇は、いまのアニメの
領域をもカバーしていたと思う。
(子連れ狼も加えたいが、劇画が先なので
例外とする)
-眠狂四郎(市川雷三)
-勘定奉行・朝比奈(加藤嘉)
-謎の占い女(藤村志保)
-高姫(久保菜穂子)
-蕎麦屋の娘(高田美和)
キャラの突き抜け感や、
舞台を見るような表情の作り方・セリフ回し、
芸術性の高い殺陣、
技のネーミング「円月殺法」
これは実写の態だが、醸し出す世界観はアニメだ。
戦後20年の頃の「鬼滅」なのだと思った。
ゆりあんレトリィバァのねたに
「昭和の女優」というのがあるが、
あれより、本物のほうがはるかに面白く、
隔世の感があり、勉強になる。
高田美和が演じる蕎麦屋の娘が、
店前で声を張り上げるのも聞き所だ。
(マニアックすぎる?)
『そばうーーーーーーどん』
市川雷三は本当にカッコいい!
陸軍中野学校シリーズの椎名次郎も良いが、
異人とのハーフ、謎いっぱいの眠狂四郎こそ
彼しかできない彼だけの役だと言い切れる。
ご老体加藤嘉がんばる!
市川雷蔵扮する眠狂四郎は、道場破りに父親を殺された気の毒な少年のため道場破りに来て存念を晴らした。立会人を頼んだ加藤嘉扮する勘定奉行朝比奈伊織が斬られそうになったので眠狂四郎が助太刀した。しかし、今度は眠狂四郎が狙われるハメになった。果たして朝比奈と眠狂四郎はどうなる? 頑張っていたご老体の加藤嘉が懐かしいね。さらにはそば屋の娘に高田美和、なかなか可愛らしかったよ。
雷蔵「豚より醜いぞ!」
加藤嘉が勘定奉行やってたんだ…知らなんだ
天下の大道を雷蔵と加藤嘉が追いかけっこしている面白さ。いやぁ、加藤嘉がいい味してるなぁ。
謀略を見抜いて加藤嘉の方向に向いていた刀の鋒をスーッと下げる雷蔵。なんてかっこいいんだ。
けっこうよかった
先日見た『眠狂四郎殺法帖』がさっぱり面白くなかったので見ずに消そうとも思ったがちょっとだけと、見始めたら面白い。おじいちゃんと眠のバディ感がいい。眠狂四郎も前作よりずっと魅力的で、特にお姫様に「豚より醜いぜ」と言い放つところが最高だ。眠を狙う連中も面白いし、柳生宗矩もよかった。ストーリーも面白い。
剣とは人殺し。それ以上のものではない!
WOWOWの市川雷蔵没後50年「眠狂四郎」全12作品一挙放送…で観賞。
シリーズ第2作。
監督は三隅研次に代わっている。
前作「殺法帳」ほど様式美に拘ってはいないが、
狂四郎を待つ5人の浪人刺客を「朝比奈(勘定奉行)は俺が斬らさん」と声だけで翻弄する場面、霧に包まれた闇夜に象徴的な小道具をわずかに配置して舞台劇のような印象をもたらす。
唯一、神秘的で芸術的なシーンだ。
この5人の刺客が順に狂四郎に襲いかかってくる物語構成で、手裏剣あり、槍あり、それぞれの対決場面に工夫があって活劇性を高めている。
円月殺法の弱点は、円を描く剣が上に来るとき袖で狂四郎の視界が遮られる一瞬にある…
槍使いがその一瞬に突き込むが、あっさり斬られる。
クライマックスでは、白鳥主膳配下の大群との死闘、そして最後の刺客との一騎打ちとなる。
ここで敵は、円を描ききるまで斬り込まないことで円月殺法に対抗するが、やはり奇策は狂四郎には通じない。
…決闘ものなら、敵の策に苦戦を強いられながらも更に上をいく策で勝つ…という展開に期待するのだが、敵が円月殺法の弱点を探るところは良いものの、なぜ敵の策が成功しないのかが分からない。
そもそも、2作目にして円月殺法の強さの秘密がまだ不明なのだ。
活劇度は上がったものの、艶っぽさは弱まった。
というか、狂四郎はお節介で勘定奉行・朝比奈老人(加藤嘉)を守る優しい男になっている。
狂四郎を取り巻く女は、そば屋の娘(高田美和)、占い師に扮した刺客の采女(藤村志保)、敵方の象徴である高姫(久保菜穂子)の3人。
そば屋の娘の気持ちは、おぼこむすめのほのかな憧れに過ぎない。
采女には囚われた異人の夫を救う目的があるため、狂四郎への想いは封印しなければならない。
高姫だけは遠慮なしだが、狂四郎からブタ扱いされる。
色っぽい会話が出る設定ではないのだ。
一大決戦を終えた狂四郎に仕官を勧める朝比奈老人が、去っていく狂四郎に「きょおしろおぉぉ〜」と呼び続ける場面は、「シェーン、カンバーック!」…的な?
しばし見つめ合い、何も言えない采女に夫が既に死んでいることを告げもせず狂四郎は無言で通りすぎる。
去っていく狂四郎を目で追うこともなく佇む采女は、やがて静かに崩れ落ちる。
情感あるラストシーンで、完。
藤村志保の魅力
冒頭では殺された侍の遺児を助け、道場破りをする狂四郎。みなしごに対して優しさを見せる狂四郎であった。貧乏人と富める者の差がはなはだしくなった世。その財政を司る朝比奈に興味を抱いた狂四郎。何者かに狙われる彼を助けるべく用心棒のようにつきまとう・・・狂四郎らしくないが、彼も天涯孤独の身。彼らに共感してしまう姿は人間味を帯びている。
キリシタンの異国人ヨハネスを夫に持つ占い師・采女(藤村)は、異教を布教した罪で牢に入れられた夫のため、越後堀家用人・白鳥主膳(須賀不二男)が朝比奈を殺せば助けてくれると約束した。凶作の世の財政を立て直すために尽力する朝比奈を守ろうとする狂四郎に対して、赤座を含む5人の刺客を送った采女であった。
高姫は狂四郎に興味を持ち、直接色仕掛けをかけてくる。彼女はお忍びで士官を目指す浪人とねんごろになったりするほど淫乱。その高姫を豚姫だと罵る狂四郎。ここでの2人のやりとりがたまらなく面白い!ブタ姫が雪よりきれいな俺の身体に触れようとは無礼千万!
刺客は次々に襲いかかる。銭湯でくつろいでいた狂四郎に襲いかかった男は高姫に絡んだ嫉妬心もあった。絶体絶命のピンチであったが、隣の女湯から刀を渡した采女。彼女もまた狂四郎に惚れてしまった。
白鳥は真剣勝負の御前試合を計画し、刀の鍔から刀身が抜けるように細工する。しかし、狂四郎がその刀を受け取るや否や、白島の仕組んだ猿芝居に気づき、朝比奈に向けられた刀身を回避する。そしてクライマックスでは「円月殺法破れたり!」を繰り返す刺客・海老名(戸田皓久)をあっさり倒す。朝比奈との友情や、惚れられても突き放す狂四郎がかっこいい!
ちなみに第4話にもヨハネスが登場するが、ここではもう処刑されたことになっている・・・
全7件を表示