人間のレビュー・感想・評価
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嵐に遭遇した漁船。「舵がやられてしもうたーっ!!エンジンがとまって...
嵐に遭遇した漁船。「舵がやられてしもうたーっ!!エンジンがとまってしもうたーっつ!」船員は4名で船長の亀五郎、甥の三吉、船頭の八蔵、海女の五郎助(ゴロスケは女の名前?)船長だけは冷静で分別があるが他はダメダメ。
泣き喚くし文句ばっかりで辛抱が無い。船長が全員分の食糧を管理してチョビチョビ食べていたが、言いがかりつけて先に均等に分配しろと言い出し、ガマンのない2人はそのわずかな里芋もメチャクチャに食べてしまう。
飢えに苦しむ五郎助と八蔵。食べ物の妄想話をしていくうちに人間もさぞ旨かろうとか言い出してヤバイことに。五郎助の悲鳴で状況に気付く船長。船長もさすがにキレる。五郎助はこの時点でメンタル崩壊→ラスト発狂。
密室・飢餓状態で人間は何を思うのか。
最後の最後までどんな状況に陥っても、人間を生かす選択をし続ける船長にリスペクト。
極限状態
真夏の早朝、小さな荷物船・海神丸は東九州の漁村を出航した。船長は亀五郎(殿山)、船頭は八蔵(佐藤)、最年少の三吉(山本圭)は船長の甥、海女の五郎助(乙羽)が便乗した。音楽はジャズっぽいが、乙羽信子の溌剌とした声もあって明るい雰囲気。しかし、夜になると嵐に遭遇。舵がやられ、燃料も底をつき、海神丸は漂流することになったのだ・・・
とうとう食料も尽き、30日が過ぎた。狂ったかのように、人肉を食うことで五郎助をそそのかした八蔵。何度も研いだ鉈で三吉を殴り殺したのだ。ようやく正気に戻ったのか、怖くなって「三吉許してくれ!」と嘆く。そしてまた嵐に遭い、59日目にして彼らはサンフランシスコ帰りの貨物船に救助される。しかし、残された3人のうち、五郎助は甲板から倉庫に落ちて死亡。三吉の亡霊でも見たのか、狂ったように八蔵は自殺した。
人間、極限に達すると何をするかわからない。欲望という果てしないモノはここまで人間を狂わせるのか。ワンシチュエーションながら、恐ろしい心理を見事に描写していた。
タイトル通りに人間の一面を描き切った作品
DVDにて視聴。小さい画面で見たにも関わらず、冒頭から船内での息詰まる展開に引きずり込まれます。殿山泰司、乙羽信子に佐藤慶ら名優の迫真の演技に感服。今作の様に極限状況で現れる人間の一面をストレートに描く映画は、今では作りにくいのでょうか。その意味で一見の価値有り。
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