日本のいちばん長い日(1967)のレビュー・感想・評価
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日本降伏をめぐる命懸けの攻防戦を描く骨太作品
総合:80点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:60点|音楽:50点 )
日本のポツダム宣言受諾に対して、現実的な考えで日本の降伏をしようとする派閥と、神国日本の国体維持のために民間人を含むさらに多くの人命を犠牲にして戦争継続をしようとする派閥との攻防を描いた骨太の社会派作品であり楽しめた。当時の一部の狂信的とも言える軍人たちの行動は軽い気持ちで観れるものではないが、どちらも命懸けで行動したし、その背景を観られるのは面白い。
2015年に再映画化されたほうを先に観ていたのだが、そちらの作品ではこの国家の運命を決める厳しい状況があるにもかかわらず主人公の阿南の人柄や家庭の話まで含めて描いていて、主題が散漫な印象だった。それに対してこの原版では降伏か戦争継続かをめぐる政治家と軍人の攻防のみを集中して描いているし、また時間も長いので状況の動きがわかりやすいく、その点においてこちらのほうが評価できる。
ただ古い映画ならではの端役のわざとらしい演技があったりするのは質を下げているし、1967年制作でまだ白黒で撮影しているのは残念ではある。
緊迫あるナレーション、タイトルがでるまでが超かっこいい! てっきり...
緊迫あるナレーション、タイトルがでるまでが超かっこいい!
てっきりドキュメンタリー要素が強い映画だと思ったのですが、見ているうちにやや疑問符。どこまでが史実に基づくのだろう?
すごい役者たちが多数出演。それだけで価値あり。笠智衆の、時に凄味、時に柔和な演技に圧倒されました。黒沢年男、うぜー!最後まで千葉真一だと思ってました(笑)
玉音放送をめぐってこんなすごい事件(宮城事件)があったこと、恥ずかしながら初めて知りました。本当にすべてが事実なんだろうね?変なフィクションが混じってたらちょっと罪だと思います。
俳優陣が魅力的
リメイク版を見てからオリジナルをみてみたら、
印象がかなり違い驚きました
クーデター側の切羽詰まった感じや
つっぱしり具合がオリジナルの方が抜群だし、
内容もわかりやすい
見てるうちに息がつまりそうになりました
70年前にこんなことが起こっていたなんて
信じられないけど、
陸軍将校たちの勢いは今のテロリズムを感じたりもしていろいろ考えさせられた
●タイトルが言い得て妙。
そうだよね。そんな簡単に受諾できんわな。軍人たちは特に。
恥ずかしながら、こんな歴史があったとは知らなかった。ポツダム宣言を一度、断ってたりとか、宮城事件とか。連合軍も通達してから、原爆投下、大連合艦隊の本土上陸と二の矢、三の矢を用意してたとは。
この後に及んで、議会は踊る、されど決まらず。天皇が決断されなかったら、この国はどうなっていたんだろうか。たしかに、行くも地獄。帰るも地獄であったことは理解はできるが。
だが現代社会も、そんなに変わってない。誰も決めない。誰も責任取らない。そんな日本を先人たちは何を思うか。彼らに恥ぬ生き方をしたいものだ。
作品的には、前段で史実展開。いよいよ長い1日が始まる。ポツダム宣言受諾をめぐって鬼気迫る攻防。切った切られたが生々しい。
当時の軍人の気持ちも含めて歴史を興味深く学べる
8月15日が何の日かは知っているけど、そこに至る過程はよく知らない。
多少の脚色はあるんだろうけど、へえ~、そうなんだ~、と思いながら終始、興味深く観られた。
テロもそうだけど、私利私欲ではなく思想からくる行動力は本当に恐ろしい。
字幕がなかったら聞き取れなかった。
日本語も時代とともに変わることを実感した。
紅一点は新珠三千代
リメイク版がこの夏公開されているそうな。
しかし、映画の内容よりもキャストが魅力的。戦後の日本映画を支えてきた俳優たちの豪華絢爛な総出演と言える。
加東大介や中村伸郎といった脇を固める人たちにもそれぞれにドラマが与えられていてファンにはうれしい。
しかし、これだけたくさんの俳優が出てくるのだが、女性の出演はたった一人。鈴木貫太郎の家の女中として出てくる新珠三千代だけ。
愚かな日本帝国
タラレバですがポツダム宣言が発令されて直ぐに降伏していれば広島、長崎に原爆も落とされていなかったでしょう。
戦争バカの連中のおかげで無数の尊い命が奪われてしまう悲惨な実話です。
勉強になる映画だと思います。
前半の学びを耐え抜けば、後半楽しめる
どこまでが導入部なのかなかなか捉えきれないところがあり、情報を頭に入れることにかなりの忍耐力を要する。そこを我慢すれば後半はかなり楽しめる。まぁ多くの物語はそういうものか─
出てくる俳優陣がことごとく名のある人ばかりで、役者名鑑的な楽しみ方もできるかも。
静的映像が多くて、そこにも忍耐が必要になってくるのだが、それを乗り越えると、岡本喜八らしい静と動の激烈な対比を味わうことができるはず。
正直、見ていて辛く、やり場のない怒りのようなものを感じてしまい、二度と見ようという気が起こらない。それこそが戦争というものを扱っているここ映画の趣旨なのかもしれない。
二度と見ずとも、一度は見るべきであろう。
この日を経て今があるのか と。
昨日観賞した『地獄の黙示録』に続いて『日本のいちばん長い日』観賞。
玉音放送の原盤が公開された今年こそ見るにふさわしい作品だった。
昨日観たNHKアニメ『団地ともお』で終戦記念日って悲しいかおをすればいいのか終わって嬉しいかおをした方がいいのか?と問題提起していたが、中々に考えさせられた。
戦争自体の愚かさ、戦争にまつわる色々な立場とそこに起因する発言や行動。軌道修正を受け入れられない困惑からの暴挙、クーデター。
天皇擁立からの戦争延長を画策した宮城事件や並行して起こった官邸焼き討ち、厚木航空隊事件等、2時間しっかり魅せられた。
勿論映像としての演出はあるが事実に基づくドキュメントと知り、もっと早く見るべき作品と感じた。学校で見せるべき作品。
様々な視点
戦争映画(否、終戦映画と言うべきか)は多数存在するが、本作も観るべき一本として挙げられるだろう。
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1945年8月14日から15日にかけての一日…ポツダム宣言受諾決定から玉音放送に至るまでの出来事を、同名のノンフィクションを元に活写。政府、軍部、マスコミなど、当時の関係者がほぼ実名で描かれている。
主要登場人物60名以上。階級、立場など万別な各人の行動を、岡本喜八の演出は淡々と追っていく。
鈴木貫太郎ら閣僚たちによる緊迫した会議。
陸軍省でのクーデター計画。
玉音放送を時間までに間に合わせんと奔走するNHK職員…。
この立場の異なる様々な人物、多様な視点の存在が、この映画をより深いものにしている。
歴史は多面体なのだと、あらためて唸ることとなる。
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様々な視点から描いた本作にも演出上の誇張や省略はあると思う。
本作に限らずどんな歴史映画にも、例えドキュメンタリーであったとしても、誇張や省略は(積極的な意図があったにせよ無かったにせよ)存在する。故に一本の映画を観ただけで歴史を判ったような気になってはいけないと思う。
それでも歴史と向き合う手がかりとして本作の意義は十二分にあるであろう。
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