日本のいちばん長い日(1967)のレビュー・感想・評価
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分かりやすいしテーマが明確
脚本が整理されていてなおかつ人物に所属や名前が字幕でかぶさるので、ことの次第が大変わかりやすい。
それぞれの立場の違いというものも、誰に肩入れするではなく見ることができるので、非常に考えさせられる。視野の広い人狭い人それぞれに理があり国民として存在することの難しさ。時間が迫る中で手順を追わねばならず、見てて胃が痛くなるようなシーンの連続。
敗戦が決まっているのに出撃する児玉基地の特攻隊には涙がでそうになったが、戻った機も多かったようで少しホッとしたり。
しかし恐ろしいのは民兵?(学生)を率いる横浜の隊長だ。畑中よりもこちらの方に狂気を感じた。制限なく狂うのは、軍人よりも一般人なのかも
・前半の静かな動きを見ててお上のやることだもんなぁと眺めてたら、後...
評価保留です
日本のいちばん短い日
終戦から22年後の映画とのこと。1967年であればカラーでも撮れそうだが敢えてモノクロにしたのだろうか。
8月14日から15日の出来事については少しだけ知っていたが、陸軍軍人をはじめとして登場人物が「天皇」と言ったり「天皇陛下」と言ったりする。考証としてはどうなのだろう。大幅な脚色はしていなさそうな印象ではあったが。
さてこの24時間が、日本のいちばん濃い日だったことは間違いないかもしれないが、当事者にとってはむしろ、いちばん短い日だったのではないかとも思える。それほど濃密な日だったことはひしひしと伝わってきた。この臨場感はやはり書籍だけからだと難しく、まさに映画の真骨頂だと思う。
一見無駄とも思える言葉選びに紛糾する会議に、意思決定の遅さや手続きの冗長さなどマイナス面の印象を持つ人も多いだろうが、騒乱にもかかわらず終戦決定からわずか一日で玉音放送まで無事こぎつけることができたのはむしろ驚異的な迅速さですらある。もう少し遅かったら北海道だけ東側の国になっていても不思議ではなかったのだから、結果的にはあの時点ではベストシナリオで推移したと言えるのではないか。戦後日本の命運を左右するまさに岐路の一日だったわけだ。
なんでもっと早く降伏しなかったのかと安直に思っていた時期もある。
だが戦争をやめるのがいかに難しいかということを改めて認識させる作品である。
誤解を恐れずに言うと、正直なところこれほど登場人物に共感できなかった作品も珍しい。今を生きる日本人と彼らはまったく別の世界に生きていたとさえ感じられる。にもかかわらずこれだけ見ごたえがあるのは、この作品自体の持つパワーと日本のもっとも濃い日の史実の重みによるのだろう。
君が代が流れたときこみあげてくるものがあった。そのとき、少しだけ彼らと繋がった気がした。
リトマス試験紙
何かを感じる=日本人
何も感じない=外国人
昭和天皇御自身もご覧になったというのが興味深い。
...
その時代を生きて辛酸を?舐めてきた人間たちが名優となって
図らずも演じることになった、という背景が名作を生むきっかけになったと
思います。
今の日本の若者も決して嫌いじゃないし、
この映画で感じる「今の若者の、昔の若者に比べての良さ」も分かります。
ただこれは実録動画のようで、映画とは思えない迫力があって、
きっと戦争の頃の日本は本当にこんな感じだったんだろうなという気持ちに
なって、
ただ、その頃の時代というものが「見えた」ことが有意義だったと思います。
昔に習って、こうしろああしろ、という気持ちにはなりません。
単純に「何かを感じた」それだけです。
それが日本人である証拠なんでしょう。
...
東宝創立35周年記念作品
高橋悦史が光る
黒沢年男は小物感、声がまだ渋くない。
陸相のハラキリは引っ張る、長い、介錯無用!おびただしい血。
森さんの首が飛んでびっくり。
横浜の将校がキレまくっててこわい、と思ったら天本英世なのね!
玉音放送にナレーションとテロップを被せて終わり。
大臣たちがホッとした時点でまだ午後11時、いちばん長い日はまだ半分しか経っていなかった。
日本人が忘れてはいけない日
この映画のすごさは、この歴史のページを息をつかせぬ緊張感で描いていること。しっかりと背景も説明して、どうして8月15日か、というのも納得させる。
冒頭にそういったふりもあるので、切迫感が伝わってくる。
やっぱり三船は凄い。それだけでも観る価値ある映画だけど、本音では日本人なら一度は見てほしいと思っています。
岡本喜八監督の一番作品と思っている。白黒映画で緊張感を持続させているのかもしれない。ポスターはカラー写真だったけど。
椅子から立てなかった。
若い頃に見たときはサッパリ分からず、退屈で眠かった。
今見ると凄い映画だった。
あのころ私は未熟だったのだ。
この映画はまず
国体
の意味がわからないとわからない。
国体とは天皇を有する国の形・・・つまらん言葉で言うならば天皇制のことである。当時の人々にとってそれがいかに絶対的なものだったのか・・・
映画全体の画面、演技、カメラワークは緊迫感にあふれたものであり基本的にはコメディ派の岡本喜八がいかに幅の広い監督かよくわかる。
しかし、緊迫の中にもコメディ的な要素が挟まれていて映画としての面白さを醸し出している。脚本がよくかけているだけに、ただ普通にとっていたら脚本負けする映画だったのを喜八が映画の面白さにこだわってこいういう風に作り上げたのだ。
これは岡本喜八の最高の作品の部類に入ると思う。
22年前の出来事
日本人の日本人に対する不信感、体裁や建前に雁字搦めになって、建設的な方向に自らを転換できない輩。どないもならん状態になって、君主制をブレンドしている価値がでる。現在においても天皇を戴くことに概ね肯定的なのも、日本人の糞詰まり状況を打開する鍵だと期待する旨があるからかも知れない。鈴木貫太郎は、陛下のご叡慮を引き出すのにうってつけだった。しかし、戦に展望があるか否かは、陛下でなくとも、誰でも見れば分かることだ。政治的決裁を国民自ら、ひとりひとりが取らない。上投げして、上目目線で推移を伺う。それではイカンのだ。
当時の役者陣はそれぞれの役を演じるにあたって、相当の気概をもって取り組んだだろう。割腹した阿南陸相を演じた三船の凄さは、阿南の名誉を十分回復したことだろう。この映画に出た役者陣すべてが、天本英世であっても、演じた役に対するリスペクトが感じられる。それもやはり時代なんだろう。
日本降伏をめぐる命懸けの攻防戦を描く骨太作品
総合:80点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:60点|音楽:50点 )
日本のポツダム宣言受諾に対して、現実的な考えで日本の降伏をしようとする派閥と、神国日本の国体維持のために民間人を含むさらに多くの人命を犠牲にして戦争継続をしようとする派閥との攻防を描いた骨太の社会派作品であり楽しめた。当時の一部の狂信的とも言える軍人たちの行動は軽い気持ちで観れるものではないが、どちらも命懸けで行動したし、その背景を観られるのは面白い。
2015年に再映画化されたほうを先に観ていたのだが、そちらの作品ではこの国家の運命を決める厳しい状況があるにもかかわらず主人公の阿南の人柄や家庭の話まで含めて描いていて、主題が散漫な印象だった。それに対してこの原版では降伏か戦争継続かをめぐる政治家と軍人の攻防のみを集中して描いているし、また時間も長いので状況の動きがわかりやすいく、その点においてこちらのほうが評価できる。
ただ古い映画ならではの端役のわざとらしい演技があったりするのは質を下げているし、1967年制作でまだ白黒で撮影しているのは残念ではある。
緊迫あるナレーション、タイトルがでるまでが超かっこいい! てっきり...
俳優陣が魅力的
リメイク版を見てからオリジナルをみてみたら、
印象がかなり違い驚きました
クーデター側の切羽詰まった感じや
つっぱしり具合がオリジナルの方が抜群だし、
内容もわかりやすい
見てるうちに息がつまりそうになりました
70年前にこんなことが起こっていたなんて
信じられないけど、
陸軍将校たちの勢いは今のテロリズムを感じたりもしていろいろ考えさせられた
●タイトルが言い得て妙。
そうだよね。そんな簡単に受諾できんわな。軍人たちは特に。
恥ずかしながら、こんな歴史があったとは知らなかった。ポツダム宣言を一度、断ってたりとか、宮城事件とか。連合軍も通達してから、原爆投下、大連合艦隊の本土上陸と二の矢、三の矢を用意してたとは。
この後に及んで、議会は踊る、されど決まらず。天皇が決断されなかったら、この国はどうなっていたんだろうか。たしかに、行くも地獄。帰るも地獄であったことは理解はできるが。
だが現代社会も、そんなに変わってない。誰も決めない。誰も責任取らない。そんな日本を先人たちは何を思うか。彼らに恥ぬ生き方をしたいものだ。
作品的には、前段で史実展開。いよいよ長い1日が始まる。ポツダム宣言受諾をめぐって鬼気迫る攻防。切った切られたが生々しい。
当時の軍人の気持ちも含めて歴史を興味深く学べる
紅一点は新珠三千代
愚かな日本帝国
前半の学びを耐え抜けば、後半楽しめる
この日を経て今があるのか と。
昨日観賞した『地獄の黙示録』に続いて『日本のいちばん長い日』観賞。
玉音放送の原盤が公開された今年こそ見るにふさわしい作品だった。
昨日観たNHKアニメ『団地ともお』で終戦記念日って悲しいかおをすればいいのか終わって嬉しいかおをした方がいいのか?と問題提起していたが、中々に考えさせられた。
戦争自体の愚かさ、戦争にまつわる色々な立場とそこに起因する発言や行動。軌道修正を受け入れられない困惑からの暴挙、クーデター。
天皇擁立からの戦争延長を画策した宮城事件や並行して起こった官邸焼き討ち、厚木航空隊事件等、2時間しっかり魅せられた。
勿論映像としての演出はあるが事実に基づくドキュメントと知り、もっと早く見るべき作品と感じた。学校で見せるべき作品。
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