劇場公開日 1967年8月3日

「今の政治家ども!せめてこれ観ろ!!」日本のいちばん長い日(1967) 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今の政治家ども!せめてこれ観ろ!!

2024年1月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

負けを認めて戦争を終われせる。
そんな今の感覚で考えればごく当たり前の事を決めるのに
なんでこんなに拘るのか!?

負けを認めて戦争を止めるとどうなるのか?
あえて今の人に一番わかり易い表現をすると
「風の谷のナウシカ」の中で
トルメキアが攻めて来て風の谷の住人に銃を向け
土地や物品や自由を奪って行く〜

あんな事が起こると思っているから止めるに止められ無い。
実際あんな生ぬるいもんじゃ無いけど〜

つまりは戦争は始めたら最後、降参しても
地獄しか待っていないって事ですね。

この映画の中で、
すでに死んでいった者たちに申し訳ないから
戦争を止めずに最後の一兵まで本土決戦するべきだと
言い張る兵士たち!

何だか今の官僚が
「一度始めた事業を止めると
前任者を否定する事になるから止められ無い」
みたいな論理で間違った事業を止めないのと
全くおんなじじゃないか!!

死んでいった者達に申し訳ないと本気で思うのなら
残された人たちを守るのがお前らのやるべき事ではないのか!

前任者が間違ったと思うのなら
正しい方向に修正するのが、後輩のやるべき事じゃないのか!

観ていて怒りがこみ上げた!

「生きる方が大変なのだ!」と言い残して自決した阿南陸相。
軍部を暴走を抑えてスムーズに終戦を迎えるための
一種の人身御供であり、
三船敏郎が演じているのでカッコ良く見えてしまうが
確かに死ぬ方が、狡いかもしれない。

で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては

2015年の原田監督版も映画館で観てますが
これはやはり別物としなければ
原田監督に分が悪すぎるでしょう。

何といってもこの映画は
昭和の名優がまだまだ現役バリバリの時代に作られてます。
つまりは実際に戦争を知っている人達や
その空気の残る時代に育った人達がやってる訳で
そこは緊迫感が違う。天皇への思いも違う。

そこはしょうがない。

逆に言えば、
敗戦日である昭和二十年八月十五日までの空気感を
リアルに感じられると思います。

超有名な映画ですが、そこそこ長いので
午前10時の映画祭の様な機会に映画館で観なければ
これだけ様々な鑑賞手段の増えた時代でも
なかなか手の出ない作品だけに
「午前10時の映画祭」運営の皆様に感謝です。
本当に面白かった!!

@もう一度観るなら?
「一回は映画館で観とか無いとね〜」

星のナターシャnova