日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声(1950)のレビュー・感想・評価

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3.5☆☆☆★★(前半から中盤) ☆☆☆☆(中盤から後半) さてと…野糞...

2024年3月20日
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☆☆☆★★(前半から中盤)

☆☆☆☆(中盤から後半)

さてと…野糞してくるか、、、BOOM!のやるせなさ(-_-;)

例えば《ヒカリゴケ》系の作品で展開されるヒリヒリする様な焦燥感。
キューブリックが『フルメタル・ジャケット』で巧みにパクった、小林正樹の名作『人間の条件』等の作品に於ける、上官と部下との関係性から発せられる鬼畜な行為と獣以下の扱いをされる非情さ。
勝新の映画史に残る強烈なるキャラクターで、最高のエンタメ性溢れる『兵隊やくざ』等の傑作と比べてしまうと、前半部分には反戦映画として〝 これ 〟と言った大きな特徴は、それ程は見られないと言って良いのかも知れない。

それが一変するのが、部隊から取り残されてしまう7人の苦悩が滲み出る後半から始まり、一気に部隊殲滅へと向かうクライマックスに掛けての凄惨なる地獄絵図。
監督以下製作側が、観客に向けて思いの丈をおもいっきり吐き出した想い。
その凄さには、つい鳥肌が立つ思いを感じてしまう。

2021年12月3日 丸ノ内TOEI 2

※ 映画本編とは違う事なのでこちらに…

会社の旅行で、鹿児島の知覧にある《特攻隊資料館》へ行った事がある。
当初は全く興味がなく、「何でそんなところにいかなきゃならないんだよ〜」…と、不満タラタラだったのだが、、、
館内へと入り、展示物である特攻隊員1人1人の手記や家族・母親へ宛てた手紙を読み進めて行くに従い、まさに胸が詰まる想いを経験した。

慟哭であった。号泣じゃなくて【慟哭】だったのです。

この映画の後半でも、その様な描写がチラッと描かれていた。
故郷を想い・家族や母親の顔を浮かべては散って行った若い人達。その気持ちを思うと胸が熱くなる。

毎年8月15日には都内某神社に於いて軍服コスプレ大馬鹿大会が開催されている。
嬉々として軍服を着飾ってイキル馬鹿どもをニュース等で見る度に、「お前らに戦争の本当の怖さが分かってんのか、このバカチンが〜!」…と、首根っこを掴まえてやりたい気持ちになる。
まあ、「お前には分かるのかよ〜」と言われてしまうと、元も子もないっちゃないんだが💧

因みに、写真でしか見た事がない叔父はインパールで戦死している。
1枚の戦死報告が送られただけだったらしい。
その後には、昨年末に掃除していた時に出て来た遺族年金も。

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松井の天井直撃ホームラン

3.0様々な勢力に利用されたことによって本作の価値や意義は却って冒涜されているのではないかとすら思える

2019年10月22日
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戦後初の反戦映画とも言われる
わだつみとは海の神との意味であるが、本作の内容は海に沈んで行った英霊を扱うものではなく
1944年のインパール作戦の惨状を学徒出陣した学生の目を通した形で映画としたもの
インパール作戦は太平洋戦争の中でも最も悲惨で日本軍の駄目で悪い部分をグツグツと煮詰めたような戦いで、本作で描かれた状況は序の口と言うほどのもので幾らでも調べればその実情を知ることができる

前途ある学生がこのような無謀で無意味な戦いに投げ込まれた悲劇を伝えるものだ
当時の大学進学率は一桁であったから、学生とは本当に将来の日本を背負うべきエリート達であったのだ
このような悲劇は繰り返されてはならない
そのメッセージはあくまでも正しい
本作は原作の学生達の手記に基づくものでそれ以上でもそれ以下でもない

しかし本作はこのメッセージ性に乗っかっていろいろな勢力が利用するものとなり、映画そのものまでそのような勢力の色がついているように見られ勝ちだ
しかし全くそうではない
素直に観るべきだ
ただ映画としてはドラマ性などはなく、盛り上がりもそうあるわけでもないのは事実だ

その様な勢力に利用されたことによって本作の価値や意義は却って冒涜されているのではないかとすら思うのだ

わだつみの会の主導権を巡るいざこざ、わだつみの像のいきさつ、荒神橋事件
戦没学生の慰霊などそっちのけだ

戦没した学生達も、戦争で悲惨に死ぬことは古今東西常にあることとしてあの世で諦めることもできたかもしれない
しかし、戦後のこの平和勢力と呼ばれる諸勢力同士の抗争の方がこのインパール作戦よりも悲惨で希望がないと草葉の陰で嘆いていることと思う
自分たちの死を持って記録されたことがまるで将棋の玉かトロフィーのように扱われているのだ

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あき240